引数を与えていないのになぜうまくいくのか。

Question

前提・実現したいこと

O'REILLYが出している[ゼロから作るDeep Learning]の第4章の数値積分のところで提供されているコードのf,t（おそらく引数）は指定されていないのに、なぜうまく折線が描画されているのかがわかりません。

発生している問題・エラーメッセージ

コードの内容が理解できない。

該当のソースコード

# coding: utf-8
import numpy as np
import matplotlib.pylab as plt


def numerical_diff(f, x):
    h = 1e-4 # 0.0001
    return (f(x+h) - f(x-h)) / (2*h)


def function_1(x):
    return 0.01*x**2 + 0.1*x


def tangent_line(f, x):
    d = numerical_diff(f, x)
    print(d)
    y = f(x) - d*x
    return lambda t: d*t + y

x = np.arange(0.0, 20.0, 0.1)
y = function_1(x)
plt.xlabel("x")
plt.ylabel("f(x)")

tf = tangent_line(function_1, 5)
y2 = tf(x)

plt.plot(x, y)
plt.plot(x, y2)
plt.show()

補足情報（FW/ツールのバージョンなど）

実行したらこのようになります。

Comments

[ozwk]

>コードのf,t（おそらく引数）は指定されていない

どこのことですか?関数tangent_line内ですか?

[genki_0330]

そうです。

Answer 1

tangent_line(function_1, 5)はtangent_lineの定義をみるに、
lambda t: d*t + y、つまりtを引数としてd*t+yを返す関数を返します

dはd = numerical_diff(f, x)
yはy = f(x) - d*x
fは引数で渡しているfunction_1
xは引数で渡している5です

で、tf=tangent_line(function_1, 5)ですからこの「tを引数としてd*t+yを返す関数」がtfに代入されて、
tf(x)で実行されてyに代入されてます。
ここのxはx = np.arange(0.0, 20.0, 0.1)のxです。

---

これが理解できるかって話かなと思うんですが...

def add(x):
    return lambda t : t + x


add3 = add(3)
print(add3(1)) # => 4
print(add3(5)) # => 8

add10 = add(10)
print(add10(1)) # => 11

Comments

[genki_0330]

t=np.arange(0.0,20.0,0.1)が必要だと思ったのですが、tの引数の中身は記述しなくてもよろしいのでしょうか？

[ozwk]

仮引数名と実際に渡す変数名は関係ありません

def hoge(t)があったとして
これを呼ぶコードがhoge(x)でも良いのと一緒です。

tに値が渡されるのは y=tf(x)のときです

[genki_0330]

丁寧に教えていただきありがとうございました。
lambdaの使い方の理解が浅かったです。
的確なご指摘ありがとうございました。

Answer 2

グラフを作成しているのは以下の部分です。

plt.plot(x, y)
plt.plot(x, y2)

それ以前の部分で折れ線の x 座標の一覧と y 座標の一覧を作成しています。
print() して中身を確認してみてください。

print(x)
print(y)
print(y2)

追記

図を描画するプロセスは理解しているのですが、y2の一覧を作る過程がわかっていない状態です。

コードにコメントを入れる形で解説しました。わかりやすいように一部変数名等は変えましたが、質問のコードと内容は同じです。

接線の方程式の導出は以下を参照してください。

接線の方程式の求め方｜数学｜苦手解決Q&A｜進研ゼミ高校講座｜ベネッセコーポレーション

import numpy as np


def numerical_diff(f, x):
    h = 1e-4
    # f'(x) の値を中心差分近似で計算する。
    return (f(x + h) - f(x - h)) / (2 * h)


def function_1(x):
    return 0.01 * x ** 2 + 0.1 * x


def tangent_line(f, a):
    # f'(a) (接線の傾き) を計算する。
    d = numerical_diff(f, a)

    #  関数 f 上の点 (a, f(a)) を通る接線の y の値を計算する関数を作成して返す。
    # 関数上の点 (a, f(a)) を通る接線の方程式は y = f'(a)(x - a) + f(a) なので、
    return lambda t: d * (x - a) + f(a)  # ここで返しているのは値ではなく、関数


# [0, 20) を 0.1 刻みにした配列を作成する。
x = np.arange(0.0, 20.0, 0.1)
print(x)

# 先程作成した x の各値に対応する関数 f(x) = 0.01 x^2 + 0.1 x の値一覧を作成する。
y = function_1(x)
print(y)

# 関数上の点 (5, f(5)) を通る接線の y の値を計算する関数を作成する。
tf = tangent_line(function_1, 5)  # tf は関数
# 先程作成した x の各値に対応する関数 tf(x) の値一覧を作成する。
y2 = tf(x)

tangent_line() は y の値を計算しているのではなく、接線の y の値を計算するための関数を作成して返しているという点を理解すれば、疑問点は解消されるのではないでしょうか。

def make_func(a):
    return lambda x: x + a

f = make_func(5)

x = np.linspace(0, 5, 10)
y = f(x)
print(x)
print(y)

Comments

[genki_0330]

回答してくださりありがとうございます。

図を描画するプロセスは理解しているのですが、y2の一覧を作る過程がわかっていない状態です。

質問が分かりにくく申し訳ございません。

[tiitoi]

追記しましたが、いかがでしょうか

[genki_0330]

すごく分かり易かったです！
lambdaの使い方がいまいちわかっていませんでした。
丁寧な解説ありがとうございます。