#!/bin/bash(sheBang)について

Question

シェルスクリプトのプロセスIDについて実験していると#!/bin/bash(sheBang)を書かないとプロセスIDが発行されない事に気付きました。例えば、以下のような例です。

■noSheBang.sh

shellName=${0##*/}
shellNameWithOutEx=${shellName%.*}

resultOfPgrep=`pgrep ${shellNameWithOutEx}`

if test -n "${resultOfPgrep}"
then
        echo "ProcessID of me is ${resultOfPgrep}"
else
        echo "ProcessID was not issued to me "
fi

■SheBang.sh（noSheBang.shにsheBangを追加しただけ)

#!/bin/bash
shellName=${0##*/}
shellNameWithOutEx=${shellName%.*}

resultOfPgrep=`pgrep ${shellNameWithOutEx}`

if test -n "${resultOfPgrep}"
then
        echo "ProcessID of me is ${resultOfPgrep}"
else
        echo "ProcessID was not issued to me "
fi

■実行結果
XXXX# ./noSheBang.sh
ProcessID was not issued to me
XXXX# ./SheBang.sh
ProcessID of me is 5257
XXXX#

果たして、sheBangはシェルスクリプト実行時にどのような役割を果たしているのでしょうか？どなたか、シェルスクリプトが実行される仕組みと絡めてご説明いただけないでしょうか？

よろしくお願いいたします。

Answer 1

pgrep で引っかからない ⇒ プロセスIDが発行されない
という考えはおかしいです。プロセスIDの無いプロセスはありません。

以下は、厳密な説明と言うより、概念的な説明です。

Bashは(に限らずシェルは一般的に)、コマンドを実行するときにまずforkで子プロセスを作って子プロセスでexecveというシステムコールでカーネルに実行を依頼します。
カーネルは、ファイルに実行可能属性があれば、実行形式のファイルであればそれを実行し、そうでなくて先頭が#!ならその後のファイル名をコマンドとして実行します。
どちらでもなければ、execveは失敗します。

Bashはexecveが失敗したら、ファイルに実行可能属性がなければエラーメッセージを表示して終わります。
実行可能属性があれば、ファイルの先頭行最大80バイトを読んでみて、テキストかバイナリかを判断します。テキストらしければ、Bashスクリプトであると見なします。バイナリと判断すればエラーメッセージを表示して終わりです。
Bashスクリプトであると見なした場合は、今のシェル（上記で作られた子シェル）でそのファイルを読んで実行します。このときに、arg[0]は親のプロセスのままで、ファイル名にはなりません。
コマンドラインを組み立て直して、再度execveすればarg[0]をファイル名にできると思いますが、何らかの理由でそうしてないようです。

なので、ファイル名でpgrepしても見つかりません。

Comments

[hirhir]

早速の回答ありがとうございます。大きな勘違いをしている事に気付けました。プロセスはどちらも生成されるが、プロセス名が親のプロセスになるのか子のプロセスになるのかという違いかなと理解しましたが、理解しきれていない箇所もあるので、いくつか質問させてください。
１．ファイルの実行可能属性とはls -lの時に出てくる、rwxr-xr-xの事でしょうか？それとも別の何かでしょうか？
２．arg[0]とは、なんでしょうか？具体的な説明をいただけるととても助かります。

[otn]

1.その通りです。
2.argvはexecveの引数です。プログラム名というかプロセス名というか。ps(オプション無し)で表示されます。

> プロセス名が親のプロセスになるのか子のプロセスになるのかという違い
プロセス名を親から引き継ぐか、あらたに付け直されるか、でしょうか。

[hirhir]

ご回答ありがとうございます。
>2.argvはexecveの引数です。プログラム名というかプロセス名というか。>ps(オプション無し)で表示されます。
psコマンドを発行した時CMD列に表示されるものですか？なるほど、実は、プロセス名ってそもそもなんだろうかと疑問に思っていたのですが、execveの引数の事だったのですね？

Answer 2

直接的な回答ではありませんが、昨年の3月ぐらいにTwitter上で興味深いやりとりがありました。

POSIXにおけるShebangの解釈についてのシェルショッカーとの議論まとめ

Shebangがある場合、ない場合の挙動について触れられていますので、
他の方の回答を読んだ後に息抜き程度にどうぞ。

あと、おまけでexecveのManページとかも。

EXECVE

Shebangについての理解を深めるという意味で以下も紹介しておきます。

The #! magic, details about the shebang/hash-bang mechanism on various Unix flavours

Answer 3

pgrepでの検索対象のプロセス名とは何かを調べてみました。

PGREPによると

マッチに用いられるプロセス名は /proc/pid/stat の出力にある 15 文字まで

に制限されている。完全なコマンドラインである /proc/pid/cmdline にマッチ
させるには -f オプションを用いること。

ということなので以下をSheBang.shに含めることでプロセス名を確認してみます。
cat /proc/$$/status | head -c 15

すると、SheBang.shの先頭に#!/bin/bashがあったとしても
たとえば/bin/bash SheBang.shと実行すると「Name: bash」と表示され
ProcessID was not～となることが確認できると思います。

さらに、もしシェルスクリプト名（も含まれるコマンドライン）でプロセス検索したい場合は
pgrep -f ${shellName}
と実行すればよいことがわかります。