subprocessを用いたsetコマンドによる環境変数の設定方法

Question

pythonのsubprocessにてsetコマンドで環境変数を設定しようとたができません。
コマンドプロンプト上で以下のcmd.pyを実行したましたが、環境変数の設定ができませんでした。

コマンドプロンプトで以下を実行
set myargument=0
set myargument #myargument=0

import subprocess
subprocess.run('set', shell=True) #環境変数が表示される
subprocess.run('set myargument=1', shell=True)　#環境変数が反映されない

pythonスクリプトをコマンドプロンプト上で実行してから、setコマンドプロンプトで環境変数を確認しても、myargumentは0のままでした。
subprocessを用いてwindowsの環境変数を設定するにはどのようにすればよいでしょうか。
ご教授いただけると幸いです。

Answer 1

環境変数というのは、プロセスごとの独立した値です。
なので、PythonからCMD.EXEを起動してその中でsetで環境変数を変更は出来ますが、そのCMD.EXEプロセス終了とともにプロセスごと消えます。

システムの設定を変更したいのなら、setxコマンドを使います。これはレジストリ含めシステムの設定を変更するコマンドなので、GUIの環境設定変更画面で設定したのと同じです。
それ以降に新規に生成したプロセスから有効です。
setx | Microsoft Docs

#補足の追記

それ以降に新規に生成したプロセスから有効です。

正確には、それ以降にWindows本体やExplorerから新規に生成したプロセスから有効です。
setxやGUIで変更する以前に起動されていたプロセスから、新規に子プロセスを起動した場合には、影響しませんので、

import subprocess
subprocess.run('set FOO', shell=True)       # 未定義
subprocess.run('setx FOO 123', shell=True)  # ここでシステム変更するが
# 起動元のPythonプロセスには反映されないのでそこから起動しても反映されない
subprocess.run('set FOO', shell=True)       # 未定義

となります。

Pythonから起動するプロセスの環境変数を変更したいなら、

import subprocess
import os
subprocess.run('set FOO', shell=True)       # 未定義
os.environ["FOO"]="123"
subprocess.run('set FOO', shell=True)       # FOO=123 が定義されている

のようにPythonプロセスの環境変数を変更します。

Comments

[otn]

複数のコマンドプロンプと画面を開いて設定してみると、環境変数が独立していることがわかるかと思います。

[naony]

os.environ["FOO"]="123"
こちらのコマンドを併用することで解決できました！
ありがとうございます！

Answer 2

プロセスというのは、プログラムが動いている状態だと思ってください。(本当はもう少し複雑です)

コマンドプロンプトはひとつのプロセスです。
コマンドプロンプト画面がふたつ開いていればそれはふたつのプロセスです。
一方のコマンドプロンプト画面で環境変数を設定(変更)しても、もう一つのコマンドプロンプト画面を見るとその環境変数は異なっています。

コマンドプロンプト画面でコマンドプロンプトを起動することができます。このとき起動したコマンドプロンプトは元のコマンドプロンプトとは別のプロセスです。
以下の実行例を見てください。実際にコマンドプロンプを開いて実行してみることをお勧めします。

C:\>prompt FIRST)
FIRST) set X=42
FIRST) echo %X%
42
FIRST) cmd
Microsoft Windows [Version 10.0.19043.1348]
(c) Microsoft Corporation. All rights reserved.

FIRST) prompt SECOND)
SECOND) echo %X%
42
SECOND) set X=100
SECOND) echo %X%
100
SECOND) exit

FIRST) echo %X%
42

これは、起動したコマンドプロンプトで環境変数を設定しても元のコマンドプロンプトの環境変数には影響しないことを示しています。

naonyさんが行っていることは、
(1)コマンドプロンプトプロセスから
(2)Pythonプロセスを呼び出し、そのPythonプロセスから
(3)コマンドプロンプトプロセスを呼び出しています。

期待しているのは(3)のコマンドプロンプトプロセスで環境変数を設定することで(1)のコマンドプロンプトプロセスの環境変数を設定したいということでしょうが、それはできないのです。Wikipedeiaには「子プロセスが自分の環境に対して行った変更は、親プロセスの環境に影響しない。」と書かれています。

対策としてはotnさんが書かれているようにsetxを使いますが、これはシステムのデフォルトの環境変数を変更することに注意してください。つまり、Windowsを再起動してもそこで設定した環境変数は使われ続けるということです。