グレイスケールでの背景差分

Question

##わからないこと
グレイスケールの画像を使ってピクセルの値による背景差分をしています。
入力画像と背景画像で入力画像のピクセル値が背景画像のピクセル値よりも15だけ大きい部分を抽出したいです。そこで以下のコードを書いたのですが、上の2つが同じ挙動を示し、3つ目だけが望んだ挙動を示しました。
なぜ一番上が2つ目と同じ挙動で3つ目と異なるのか説明していただきたいです。

img[(img - back) < 15] = 0
img[abs(img - back) < 15] = 0
img[img < back + 15] = 0

Answer 1

画像の画素値は uint8 型で表されるため、演算結果が [0, 255] の範囲を超えた場合、オーバーフローが発生し、結果を正しく保持できません。
1 ~ 3番目はいずれもオーバーフローが発生する可能性があるため、3つ目だけが望んだ挙動を示したのはたまたまそうなっただけだと思います。

オーバーフローを確認するコード

import numpy as np

# オーバーフローが発生する例
a = np.uint8([10])
b = np.uint8([20])
print(a - b)  # [246]

a = np.uint8([255])
b = np.uint8([10])
print(a + b)  # 9

対策

演算を行う前に、uint8 からより大きい範囲の整数を保持できる型に astype() でキャストしてください。

import numpy as np

a = np.uint8([10])
b = np.uint8([20])
# 演算前にキャストする
print(a.astype(int) - b.astype(int))  # [-10]

a = np.uint8([255])
b = np.uint8([10])
# 演算前にキャストする
print(a.astype(int) + b.astype(int))  # [265]

Comments

[rathi]

オーバーフローが発生していたのですね。対策まで教えていただきありがとうございます。