Pythonにも『ラムダ式の初期化キャプチャ』のような機能がありますか？

Question

C++14には所謂『ラムダ式の初期化キャプチャ』という機能があります。
即ち、関数の中の部分パラメーターが環境やコンテクストに依存するものの、値は固定です。
なので、これらの環境依存のパラメーターを関数の引数として毎回毎回pass必要としないのです。それは以下のようなやり方で実現できます。

int increment(int x)
{
  return x + 1;
}

int main()
{
  // increment(3)の戻り値を、変数x,yとしてラムダ式内で使用する
  auto f = [a = increment(1), b = increment(2), c = increment(3)](int x, int y) { return x*a*b + y*c; };

  int result=0;
  for(int i=0; i<1000; i++) result += f(i, cos(i));

  return  result;
}

##C++14のこのようなやりかたがスマートと思いますので、Pythonにも似たやり方があるかどうかお尋ねしたいのです。

Answer 1

要するにクロージャとしての機能ですよね。
Pythonでは関数内関数を定義できるので、それを利用すれば良いです。

from math import cos


def increment(x):
    return x + 1


def make_func(a0, b0, c0):
    a = increment(a0)
    b = increment(b0)
    c = increment(c0)
        
    def func(x, y):
        return x * a * b + y * c;
    
    return func


def main():
    func = make_func(1, 2, 3)
    return sum(
        func(i, cos(i)) for i in range(1000)
    )


print(
    main()
)

GCが働いてくれるので、オブジェクトの寿命に神経を使わなくて良いのは大きな利点です。

---

ラムダ式で表現することも出来ないことは無いですが、ここでは不向きです。

• Pythonではラムダ式内に文を置くことができない
• Pythonには代入式は存在せず、代入文が用いられる
• PEP8の規定に依り、ラムダ関数を変数に束縛するのは好まれない

Comments

[leilei]

すばらしいコメント有難うい御座いました！

Answer 2

すでにそのものズバリの回答がついているのと、個人的にあまり関数閉包が好きではないので、「似たやり方」をいくつか。

普通にクラスにする

けっきょく、欲しいものは閉じた名前空間のあるオブジェクト。普通に考えたらインスタンスです。

class Hoge:
    def __init__(self, i):
        self.i = i
    
    def f(self, x):
        return x + self.i

hlst = []
for i in range(5):
    h = Hoge(i)
    hlst.append(h)

for h in hlst:
    print(h.f(0))

""" =>
0
1
2
3
4
"""

この規模だと見栄えがしませんが、ある程度大きいものを作るならいい方法です。

引数のデフォルト値を活用する

デフォルト値が実行時（関数定義時）評価なのがキモ。

flst = []
for i in range(5):
    def f(x, i=i):
        return x + i
    flst.append(f)

for f in flst:
    print(f(0))
"""
0
1
2
3
4
"""

単に外のスコープに置く

a = increment(1)
b = increment(2)
c = increment(3)
def func(x, y):
    return x * a * b + y * c

これで済むなら別にこれでも良いのでは？　と思います。

関数オブジェクトの属性に押し込む

この方法は汚いので非推奨ですが・・・

flst = []
for i in range(5):
    def f(x):
        return x + f.i
    f.i = i
    flst.append(f)

for f in flst:
    print(f(0))

""" =>
0
1
2
3
4
"""

記述量だけならクロージャより少なくて済むのが強みです。引数のデフォルト値を使う方法には負けますが。

関数に呼び出しをまたいで変化する状態を持たせるような用途だと、この方法は輝きます。デフォルト値では（たぶん）できないからです。

これとクロージャでカウンタを書いた例。

# クロージャ版
def make_f(init):
    def f():
        nonlocal init  # 必須
        init += 1  
        return init
    return f

f = make_f(0)
for i in range(5):
    print(f())
""" =>
1
2
3
4
5
"""

# 属性版
def f():
    f.init += 1
    return f.init
f.init = 0

for i in range(5):
    print(f())
""" =>
1
2
3
4
5
"""

Comments

[leilei]

hayataka2049さん
サンプルコード本当に有難うございます！
良い勉強になりました。

Answer 3

increment = lambda x: x + 1
f = lambda x, y: x * increment(1) * increment(2) + y * increment(3)
print(f(1, 2))
increment = lambda x: x + 2
print(f(1, 2))

pythonはスクリプト言語なので、C++のようなことをしなくても良いのでは…

Comments

[leilei]

> pythonはスクリプト言語なので、C++のようなことをしなくても良いのでは…
この辺ですね！
もう少し深く考えてみたいと思います。
良いヒント有難うございました。