PIC24FJのRTCがスリープ復帰後にリセットされる

Question

前提

現在PIC24FJ256GA702を使用して、温度センサーを作製しております。

実現したいこと

約60秒ごとに時間と温度を計測し、SDカードへ記録するようにしたいです。また、計測時以外はスリープ状態にして、消費電力を抑えたいと考えております。

発生している問題・エラーメッセージ

WDTを使用し、約60秒ごとにㇲリープから目覚め、時間と温度を計測し、SDカードへ記録するようにしたところ、SDカードへデータは記録されていたのですが、時間のデータが初期に設定した値のままで、下記のようにずっと同じ時間を記録している状態でした。

時間 　　　　 　温度
22/7/27 13:19:32 28℃
22/7/27 13:19:32 25℃
22/7/27 13:19:32 25℃
22/7/27 13:19:32 24℃
22/7/27 13:19:32 25℃
22/7/27 13:19:32 25℃
22/7/27 13:19:32 25℃
22/7/27 13:19:32 24℃
22/7/27 13:19:32 24℃

該当のソースコード

C++(main.c)

#define FCY 8000000UL
#include "mcc_generated_files/system.h"
#include "mcc_generated_files/fatfs/fatfs_demo.h"
#include "mcc_generated_files/fatfs/ff.h"
#include "mcc_generated_files/sd_spi/sd_spi.h"
#include "mcc_generated_files/adc1.h"
#include "mcc_generated_files/rtcc.h"
#include <libpic30.h>
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

static FATFS drive;
static FIL file;

int adcValue = 0;
unsigned int temp = 0;

unsigned int year;
unsigned int month;
unsigned int date;
unsigned int hour;
unsigned int min;
unsigned int sec;

int main(void)
{
    // initialize the device
    SYSTEM_Initialize();
    LATBbits.LATB8 = 0;
    char str[100];

    while (1)
    {
        UINT actualLength;
        
        adcValue = ADC1_GetConversion(channel_AN9);
        temp = 0.49 * adcValue;

        year = (DATEH & 0xFF00) >> 8;
        month =(DATEH & 0x00FF);
        date = (DATEL & 0xFF00) >> 8;
        hour = (TIMEH & 0xFF00) >> 8;
        min = (TIMEH & 0x00FF);
        sec = (TIMEL & 0xFF00) >> 8;
    
        if( SD_SPI_IsMediaPresent() == false)
        {
            return;
        }
        if (f_mount(&drive,"0:",1) == FR_OK)
        {
            if (f_open(&file, "Temp.CSV", FA_WRITE | FA_OPEN_APPEND ) == FR_OK)
            {
               
                sprintf(str, "%x/%x/%x %02x:%02x:%02x,  %d\r\n", year, month, date, hour, min, sec, temp);

                f_write(&file, str, strlen(str), &actualLength );
                f_close(&file);

            }
            f_mount(0,"0:",0);
        }
      
        LATBbits.LATB8 = 1;
        __delay_ms(50);
        LATBbits.LATB8 = 0;
        __delay_ms(50);
        
        Sleep();
    }

    return 1;}
/**
 End of File
*/

なお、コードの作成にはMCCを使用しておりまして、System Module、WDT、RTCCの設定は下記の通りです。

System Module

WDT

RTCC

なお、RTC用の振動子は11ピンと12ピンに接続した外部振動子を使用しております。

試したこと

試しにSleep()を使用せずに、delayで60秒待機した場合は、正常に作動し、60秒ごとの更新された時間がSDカードに記録されていました。
ですので、Sleep()が原因と考えておりますが、Sleep()を使用するとRTCが初期値にリセットされるなどはございますでしょうか？

また、外部振動子の波形をオシロスコープで観察したところ、スリープ中も波形を確認できたので、振動子が停止しているということはなさそうです。ただ、Sleep()から復帰するタイミングで、一瞬波形が消えておりました。

補足情報（FW/ツールのバージョンなど）

開発環境はMPLAB v5.45、MCCはv4.2.1を使用しております。

Answer 1

時間がかかってしまいましたが、問題を解決することができました。
当初マイコンのVcapピンはどこにも接続しておりませんでしたが、このピを10uFのキャパシタを介してGNDに接続したところ、RTCが正常に作動しました。
おそらくですが、Vcapにキャパシタを接続していなかったことで、Sleepから復帰した際の内臓レギュレータの動作が不安定になり、マイコンが一旦停止、RTCも初期設定値にリセットされていたことが原因と考えております。
皆様アドバイスいただきましてありがとうございました。

Answer 2

リセットが発生するなら RCONレジスタ でリセット要因を特定します

参考↓
PIC24F セクション 7. リセット

引用↓
質問 1: RCON レジスタはどのように使うのですか。
回答 : リセット後の初期化コードでは、RCON と RCON2 レジスタを読み出してリセット要因
を確認する必要があります。アプリケーションによっては、この情報に基づいてリセット発生
の原因となった問題を是正できます。RCON レジスタの全てのリセット ステータスビットは、
読み出し後にクリアする必要があります。これにより、次回のデバイスリセット時に RCON 値
から正しい情報を得る事ができます。

Answer 3

何がどういうふうに異常であるのかデバッグしましょう。
思いつくものとして、現状のコードのsleepの前に、３０秒ほどのdelayを入れてみたらどうなるでしょうか。
それで時刻が進んで行くのであれば、sleep中がRTCが動いていないってことがわかります
時刻が全く進まないのであれば、おっしゃるようにリセットされるのか、最初からRTCが起動していないのか、ってことが判明します。
こうやって、現象を絞り込み、それが起こりうる設定を推測していきます。

＃この手のMCUにあるあるなのが、オプションレジスタなどの設定値で、sleep中のRTCの動作を切り替える、ってのがあったりします

Comments

[klose0609]

早速、アドバイスいただきましてありがとうございました。
delayを使用した場合、時計のカウントが進んで記録されますので、やはりSleepが原因である可能性が高いです。
RTC用にSOSCに接続した外部振動子を使用し、Sleep中も作動するように設定しております。オシロスコープで波形を見ても、Sleep中に振動子が機能していることは確認できております。ただ、Sleepから復帰する際に一瞬だけ振動子の波形がなくなり、停止しているように見えます。復帰の際に何らかの原因でRTCが機能しなくなっているのかもしれません。
因みにSleepではなく、Idleの場合はこのような現象は起こらず、正常に時計のカウントが進んで記録されておりました。

[y_waiwai]

まあ、現実に動いてない、ってことはあなたのいってることの何処かが間違っている、ってことです。
こうなってるはず、ってのがあなたの頭の中にある限りは問題は解決しません。