Q&A
インライン関数の展開は、定数の置換などと共に、プリコンパイラで行われているのでは？
その場合、コンパイラの文法チェックの前に、問題のコートが消えているので、エラーは発生しないのは、正しい動作かと。
下記のコードがコンパイルエラーになりません．（Visual Studio 2022 を使用）
X::F2() の実装には問題があるはずですが，何のコンパイルエラーも出ません．（ビルド→実行 ができる）
C++
1#include <iostream> 2 3class X 4{ 5public: 6 void F1(){ std::cout << "F1\n"; } 7 X &F2(){ std::cout << "F2\n"; } //return *this; と書くつもりが忘れている 8}; 9 10int main() 11{ 12 X x; 13 x.F1(); 14 //x.F2(); //C4716 'X::F2' : 値を返さなければいけません 15 16 return 0; 17}
プロジェクトの設定で警告レベルを上げることで
warning C4514: 'X::F2': 参照されていないインライン関数は削除されました
という warning が出ることから
コンパイルエラーにならない原因は「使ってないから削除された」ことなのかと思いますが，
使っているかいないか以前に，まずコードとして問題があると思うのですが，その点がスルーされるのは何故なのでしょうか？
例えば，X::F2() の実装を void F2(){ std::cout << "F2\n"; cat; } とかにすれば，使ってなくても cat の部分がコンパイルエラーになるのですが，これとの差とは何になるのでしょうか？
エラーにならないという挙動が個人的に不便に思うのですが，これをコンパイルエラーにする方法とかありませんでしょうか？
（プロジェクト設定に「警告をエラーとして扱う」というのがありますが……それだと今度は他の警告もエラーになってしまうのが不便そう）
（「インライン」な形に書くこと自体をあきらめる？）
コンパイラがNステップの処理をしていて，
あるM番目のステップ(M<N)でコードが消去されるから
M+1番目以降にチェックされる事柄であればエラーにならない……みたいな話なんでしょうか．
（cat がエラーになるのは，識別子(?)のチェックは M よりも手前のステップでチェックされているから，っていうような？）
auto_inline pragma を使うとよいかもしれません。
auto_inline pragma | Microsoft Learn
https://learn.microsoft.com/ja-jp/cpp/preprocessor/auto-inline
```
#pragma auto_inline(off)
X &F2(){ std::cout << "F2\n"; }
#pragma auto_inline(on)
```
という形にサンドイッチしてみましたが特に変化は見られないようです．
また，
```
#pragma auto_inline(off)
class X
{ //以下略
```
という形で先頭に off だけを置いてみても同様です．
回答2件
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ベストアンサー
言語仕様は正しいプログラムの挙動を説明しますが正しくないプログラムがエラーとして報告されることを保証しません。 未定義です。 特に質問の例では未定義であることが明記されている条件にあてはまっています。
もちろんコンパイラはなるべく問題を検出することが望ましいのは当然ですが技術的限界や過去からの経緯、実装上の都合といった諸々の事情により積極的に検証しない場合はあります。
言語仕様上の理屈で言えばインライン関数は ODR の例外となる特殊ルールを除いては普通の関数と違いはありません。 使われている箇所があるかないかで区別するような規則はないのです。 区別するとしたらそれは処理系の裁量です。
例えば，
X::F2()の実装をvoid F2(){ std::cout << "F2\n"; cat; }とかにすれば，使ってなくてもcatの部分がコンパイルエラーになるのですが
C++ の仕様ではソースコードの解釈はたくさんのフェイズに別れているのですが、一般論で単純化すると
- 字句解析
- 構文解析
- 意味解析
- 最適化
- コード生成
- リンク
といったような手順が基本です。
return が必要かどうかは意味解析まで行かないと判断できません。 構文的な正しさをチェックするところまでしておいて残りは実際に必要になるまで後回しといったような処理をしているのだとしたら問題の種類によって検出したりしなかったりというのは理解できる挙動です。
識別子のルックアップは構文解析に属するので知らない名前が急に出てきたら構文の誤りとして早めに検出できますが、 return については形式的な構文規則だけでなく返却値の型や制御フローまで読み解かないとわかりません。
投稿2025/12/17 12:18
総合スコア5799
未定義である旨のご教示，ありがとうございます．
//C4716 'X::F2' : 値を返さなければいけません
という形で（デフォルトで）コンパイルエラーにしてもらえることの側にむしろ感謝すべき状況だったようです．
https://learn.microsoft.com/ja-jp/cpp/error-messages/compiler-warnings/compiler-warning-level-1-c4716
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方法はありません
そもそも戻り値が省略できるmainがエラーになると互換性が損なわれるのでできないのでしょう
以下のQiitaの記事のコメント欄によれば
https://qiita.com/pshiko/items/835907b89c08a185e5f6
K&R 時代の挙動と離れすぎないように仕様を詰めていった結果で変なことになったのではないでしょうか
とのことです
投稿2025/12/17 12:12
総合スコア125
main で return を書かなくてもよい的な話はなんとなく知ってはいましたが，
main ではない関数でもOK（←とりあえず文法的な意味で）だというところは知りませんでした．
ありがとうございます．
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