どのような回帰モデルを作成したかによって異なりますが、基本的には値域を決めて求めます。例えば重回帰であれば例の説明変数に関しては値域を決めないと説明変数は3元関数なので、最大値は決まりません。
簡単のために、説明変数が2元、それぞれの説明変数が一次の項のみで構成されるモデルだったとして、直交座標系でz(売上)= ax(気温)+by(湿度)+ εとした状態でa、bのパラメータ推定済みだとします。この直交座標系にxとyにおけるzの値をプロットしていけば、zの推移を可視化することができます。(これは元を増やしても一般化されますが、人間の視覚情報で説明できる限界が3次元までなので三次元を例にあげています。)
このとき、x,yの値域が正負の方向に無限だとすると、この値域内で取るzの値は無限に存在するので、最大値を決めることはできません。今回の例では、zがx、yに対して比例関係があるという(まぁまぁ乱暴な)仮定を置いているので、x、yの値域を決めると上面のみ傾いた平面になると思います。これを可視化して探すこともできますし、以上のような単純な線形モデルを使っている場合は最大値を取るのはa、bの正負が分かれば、値域の端点を取るのが最大になることが自明なのでグリッドサーチを行う必要はありません。
また、値域が正負共に無限の時でも最大値がわかる別の例として、
z(売上)= ax(気温)+by(湿度)+cx^2 + dy^2 + εというような気温の二次項を含み値域が(c < 0, d < 0)となるモデルを考えます。
この例ではx、yの定義域に関して、xとyに対して、(微分なり頂点を求めるなどして)極値を求めることができるので、あるデータ内で計算のみで、zが最大となる値を求めることができます。以上のように偶数時の特殊なケースにおいては、定義域を無限にしても値が元まるケースがあります。
このように立てたモデルの凸性によって、グリッドサーチが必要かどうかは変わってきます。ただ、実際は、値域を設定できないことはほとんどないでしょうし、重み係数の値が人間が計算した方が早いほど綺麗な桁数に収まることもほぼないため、多次元回帰のようなモデルでは重み係数を導出した後は値域内でグリッドサーチしてしまった方が早いでしょう。単純な一次回帰モデルでは重みの正負を見て値域の端点を入力して機械的に出しましょう。
また提示していただいてる例では客数・気温・湿度が単純な比例関係としてモデルを作っているので、恐らく一次項の線形回帰では客数の係数の絶対値が大きく出て、気温・湿度の係数の絶対値が小さめに出ると思います。
このような回帰結果から、気温・湿度がどれくらい売上に相関しているかや、モデルを作る時にどのような項を含むモデルを作ることが適切なのかと言った点を幾何的な性質を考慮できると、理解がスムーズになるかと思います。