GNUアセンブリのコード解読

Question

https://teratail.com/questions/342734で質問したばかりなのですが、
また違う疑問が出たので教えてください。
gccで以下のコードを逆アセンブルしました。

#include <stdio.h>

int main(void)
{
    int a,b,c;
    a = 1;
    b = 2;
    c = a + b;
    printf("c = %d\n",c);
    return 0;
}

	.file	"test4.c"
	.text
	.def	___main;	.scl	2;	.type	32;	.endef
	.section .rdata,"dr"
LC0:
	.ascii "c = %d\12\0"
	.text
	.globl	_main
	.def	_main;	.scl	2;	.type	32;	.endef
_main:
	pushl	%ebp
	movl	%esp, %ebp
	andl	$-16, %esp
	subl	$32, %esp
	call	___main
	movl	$1, 28(%esp)
	movl	$2, 24(%esp)
	movl	28(%esp), %edx
	movl	24(%esp), %eax
	addl	%edx, %eax
	movl	%eax, 20(%esp)
	movl	20(%esp), %eax
	movl	%eax, 4(%esp)
	movl	$LC0, (%esp)
	call	_printf
	movl	$0, %eax
	leave
	ret
	.ident	"GCC: (i686-posix-dwarf-rev0, Built by MinGW-W64 project) 8.1.0"
	.def	_printf;	.scl	2;	.type	32;	.endef

###分からない事
・.def ___main; .scl 2; .type 32; .endefと.def _main; .scl 2; .type 32; .endef、.def _printf; .scl 2; .type 32; .endefにおける .defと.scl 、.type .endefは何を表しているのですか？
(値が2と32になっているのは何故ですか？）

・__mainと_mainは何が違うのですか？

・.section .rdata,"dr"は何を表しているのですか？

・.ident "GCC: (i686-posix-dwarf-rev0, Built by MinGW-W64 project) 8.1.0"を省略しても正常に動作はするのですが、省略することでシステムに悪影響を及ぼしますか？もし、.ident以下を省略したコードを配布すればライセンス的にはどうなのですか?

・movl $1, 28(%esp)やmovl $2, 24(%esp)、movl %eax, 20(%esp)で値を移動させているときに、アドレス28,24,20に格納していますが、なぜこれらのアドレスに格納されたのですか？確保されたスタックフレームは32なのにも関わらず、なぜ28番地のアドレスから使用しているのでしょうか？
###環境
MinGW
Windows10

なにか間違っていることがあれば、ご指摘ください。
どうかご教授お願いします。

Comments

[int32_t]

マニュアルは読みましたか? https://sourceware.org/binutils/docs/as/

[akisan55]

GNUアセンブリのマニュアルがあるのですね。
知りませんでした。参考にさせていただきます。

Answer 1

.defと.scl 、.type .endefは何を表しているのですか？

マニュアルを読み
それ以上の情報が必要であればbinutilsおよびgccのソースを読んでみてください

(値が2と32になっているのは何故ですか？）

gcc/config/i386/winnt.cやlibgo/go/debug/xcoff/xcoff.goを読む限り

• .scl 2

ストレージクラス: C_EXT、シンボルを(objの)外部から参照できるようにする

• .type 32

32bit CPU用のコードを生成する

__mainと_mainは何が違うのですか？

_main用のスタティック変数領域を___mainとしているように見えますね

.section .rdata,"dr"は何を表しているのですか？

.rdataセクション(dr属性: data, read-only)に以後(この場合は.textまで)のコードを置きます。

.ident "GCC: (i686-posix-dwarf-rev0, Built by MinGW-W64 project) 8.1.0"を省略

基本的にデバッグ用です。
こちらによればコンパイル時に-fno-identによって消せるようです。
「省略したコードを配布」というのがよく分かりませんが一般的にgccでコンパイルしたところで生成物がGPLに縛られはしません。(状況次第で例外みたいな穴はあるので精査は必要ですが)

---

確保されたスタックフレームは32なのにも関わらず、なぜ28番地のアドレスから使用しているのでしょうか？

「確保されたスタックフレーム」は32バイトつまり**+0～+31の32個です。
よって最後尾のsizeof(int) = 4バイトは28～31**になります。

Comments

[akisan55]

なるほど、とても分かりやすい説明でした。有難うございます。
勉強になりました。助かりました。