歴史的経緯を知っていると、16進表示する理由はより良くわかります。
0~9の10種類のアラビア数字は十進表示することに慣れていた人たちにとって、0と1の2種類の数字で表す二進表示は桁数が長くなって読みにくい一方、二進数を十進数に変換するのは初期のコンピュータにとってはコストが大きかったのです。
そこで、別の基数による表示を行うときに何進数が良いのかということになりました。
ある時期には主流は八進数だったようです。それはPDP-8などの安価なコンピュータの1バイトが6ビットだったからです。現在主流の1バイト8ビットよりもビット数が少なかったのは、メモリやレジスタに使えるトランジスタが高価だったためです。
6ビットだと、八進数二文字でちょうど表現でき、0~7という既存数字で書けるのでわかりやすかったからでしょう。
しかし、6ビットで表せる文字数が64種類だという理由で足りないという理由で7ビットのコンピュータもなども作られていました。
1バイトが8bitに定まったのは2008年
パンチカード仕分け装置などを作っていた国際事務機器という会社が、1964年にSystem/360という1バイトが8ビットのコンピュータを発売しました。半導体が安くなるに従って、1バイトが8ビットという仕様が普及していき、現在では6ビット系や7ビット系のコンピュータはほぼ駆逐されたようです。
8ビット系のコンピュータでも最初の頃は、8ビットを八進数で表現して(2, 3, 3)とビットを分けて書いていたのようです。しかし、1ワードが2バイトの時代、つまり16ビットマシンで、16ビットを(2, 3, 3, 2, 3, 3)と分けるか、(1, 3, 3, 3, 3, 3)を分けるかという問題もありました。
やがて、0~9という既存数字にa~fという文字を加えた16進表示が広まって現在に至ります。16ビットマシンなら、(4, 4, 4, 4)と分け、32ビットマシンなら、(4, 4, 4, 4, 4, 4, 4, 4)と分けて書けるから便利だからでしょう。