どうして「IE11」のみという状態になってしまうのか。
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1.技術的に他のブラウザへの対応をすると多くのコストがかかる。(正直そんな事はないと思ったけど)
一番近いのはこちら、技術的な問題ですね。ただ、多くのコストをかければ対応できるのかと言えば非現実的、実質不可能です。
マイナポイントで使われるマイナンバーカードは、運転免許証カードでも採用されているNFCのType B(ISO/IEC14443 Type B)と言う規格のものです。NFCのType BはSONYのSuica(FeliCa Standard)とは違い、NFCフォーラムで策定された国際的な共通規格ではありますが、使うにあたってはSuica同様、そのカードを扱うローカルPC上にSONYのパソリ(PaSoRi)のようなICカードリーダーライターを直接接続する必要があります。昨今のWEBブラウザーは既に他回答者様からも指摘されているように、セキュリティの観点からファイルアクセスを含むローカルPCにアクセスする機能はあえて持たないかたちになっています。ただしそのブラウザーの内、古くはWindows OSと深く結びついたこともあるInternet Explorerは、ActiveX と呼ぶ機能を用いて、ローカルPCのWindows APIを使うなどネイティブの機能を扱うことができます。Internet Explorerに替わるWindows用の新しいブラウザー、Microsoft Edge はActiveXを扱うことはできないので、選択肢から外れます。Internet Explorerの最新かつ最終版は11であるので、ここでInternet Explorer 11の縛りが出てきています。その他の有名どころのブラウザー、ChromeやFireFoxには、我々プログラマーがどんなに泣いても笑ってもそのような機能を独自に追加することはできないので、これらも選択肢から外れます。
NFCを含むICカードをWindowsで扱うには、古くからPC/SC(Personal Computer/Smart Card)と言うインターフェース仕様があります。これはもともと汎用的に設計されたものであるので、ICカードリーダーライターが対応しさえしていればある程度まではマイナンバーカード用に使えるはずです。ですが、マイナンバーカードの規格であるNFC Type Bの持つ機能をフルに使う為には、一部で合致しない機能があるかもしれません。ActiveXを使ったとしても、どんなICカードリーダーライターでも使えるとは限らないものになります。いずれにせよマイナポイントを使う為のICカードリーダーライターの機種の制限はあります。軽く検索した限りでは、例えば以下の製品が使えるようです。
・SONY製「USB対応 PaSoRi(パソリ)RC-S380」
・NTTコミュニケーションズ製「ACR39-NTTCom」
・I-O DATA製「USB2-NFC2」
いずれも住民基本台帳カード、今で言うマイナンバーカードの規格、NFCのType Bをサポートしているものです。マイナポイント機能のアクセスに際してインターフェースとしては恐らくType Bの範囲をカバーするPC/SCを使っていると思われるものの、実際にそうかどうかは今のところ私では分かりませんが、結局のところこれを一般的なユーザーのPCにインストールされているWEBブラウザで使うには、もはやInternet Explorer 11 しか無いかたちです。
尚、Internet Explorerから離れるとWebNFCと呼ばれるものがあり、ChromeやFireFoxブラウザーで実験的に実装されつつあります。しかし残念ながら未だ仕様的、実装状況的に不安定さが垣間見え、PC用ではなくスマホ用であったり、製品としてまだ世に出せるものではないようです。保守やサポートの負荷を考えると現時点では到底、採用はできないでしょう。結局、現時点ではInternet Explorer 11の一択となるのです。
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2020/07/06 09:25
2020/07/06 11:58