decltypeとSFINAEによる関数のオーバーロード条件指定のときの、戻り値の型指定について

Question

以下のようなMyClass

class MyClass {
  // メンバ変数
  ...
  
 public:
  // デフォルトコンストラクタ無効
  MyClass() = delete;
  // 何らかの面倒くさいコンストラクタ
  MyClass(int, ...);
};

を戻り値とする、SFINAEによって条件指定した以下のような関数を作りたいです。

template <class T>
auto my_function(T t, ClassA a, ClassB b) -> decltype(/*tに関する条件1*/, /*tに関する条件2*/, MyClass{});

decltypeの最後の引数にはMyClass型の値を指定する必要があると理解していますが、MyClassはデフォルトコンストラクタが存在しないため、上のコードはコンパイルできません。(MyClass{}が不可)

コンストラクタを指定せずに、MyClass型の値を指定することはできますか？

-> decltype(std::declval<MyClass>())としても、うまくいきませんでした。

-> std::decay_t<decltype(std::declval<MyClass>())>
とすれば通りましたが、これは適切なのでしょうか。

ご教示ください。よろしくおねがい致します。

Answer 1

こんにちは。

-> decltype(std::declval<MyClass>())としても、うまくいきませんでした。

本質的にはこれで良いはずです。
注意点としては、declvalは（右辺値）参照を返すので、参照を外しておかないと戻り値の型が参照になってしまいます。

#include<iostream>
#include<type_traits>

class MyClass {
  // メンバ変数

 public:
  // デフォルトコンストラクタ無効
  MyClass() = delete;
  // 何らかの面倒くさいコンストラクタ
  MyClass(int) {}
};

struct A { void foo() {} };
struct B { void bar() {} };

template <class T>
auto my_function(T t) -> std::remove_reference_t<decltype(t.foo(), std::declval<MyClass>())>
{
    std::cout << "my_function(arg has foo())\n";
    return MyClass{1};
}

template <class T>
auto my_function(T t) -> std::remove_reference_t<decltype(t.bar(), std::declval<MyClass>())>
{
    std::cout << "my_function(arg has bar())\n";
    return MyClass{1};
}

int main()
{
    my_function(A{});   // my_function(arg has foo())
    my_function(B{});   // my_function(arg has bar())
}

wandbox

Comments

[yumetodo]

まあどっちかというと、一度SFINAEで条件チェックだけ行うtraisを作ってenable_if_tで再度やるほうが条件の使い回し的に楽だと思いますけどね

[wistaile]

ありがとうございます！
なるほど、declvalはadd_rvalue_reference_t<T>を返却していたのですね。勉強になりました。