copy constructorを使ってインスタンスをコピーするメリット

Question

C++において，copy constructorを用いてインスタンスのdeep copyを行うことがあると思いますが，そもそも既にあるインスタンスを用いて新たなインスタンスを作成するメリットは何でしょうか？
copy constructorの説明を行っているサイトの説明を見ると，シンプルなものばかりだからか，copyせずに新しくインスタンスを作成した方がわかりやすいのではないかと思ってしまいます．

例) 整数型の配列を格納するクラス

class IntArray
{
public:
    IntArray( int size, int value );
    ~IntArray( );
    IntArray( const IntArray& other ); // copy constructor
private:
    int* data_;
    int size_;
};


int main()
{
    IntArray a(3, 0);
    IntArray b = a; // deep copy
    // IntArray b(3, 0); //この方がわかりやすく，余計な操作も必要ないのでは？
}

Answer 1

コピーコンストラクタは、コンパイラやライブラリが勝手に使うことがあります。他人が作ったライブラリは、あなたのクラスの中身まで知りませんから、コピーコンストラクタを使う以外、同値のインスタンスを作る方法がありません。

たとえば、標準ライブラリのstd::vectorなども、基本的にコピーコンストラクタがなければ使えません。

Comments

[nishiys]

質問で自分が挙げた例のような自分が使うという視点ではなく、
ライブラリなど外部から勝手に使われることを想定してコピーコンストラクタを定義しておく必要がある場合もあるということですね。
ありがとうございます。

Answer 2

例えばstd::shared_ptrを見てみましょう。
https://cpprefjp.github.io/reference/memory/shared_ptr.html

auto p1 = std::make_shared<int>(4);
auto p2 = p1;
auto p3 = std::make_shared<int>(4);

*p1 = 2;
std::cout << *p3 << std::endl; // => 4

コピーされた関係の間では同じメモリー領域を見るという機能を持ったクラスではcopyコンストラクタは必須です。

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そもそもコピー自体を可能な限り排除しようという流れになっている(moveしたり直接構築(perfect forwarding)しようという流れ)中で、なかなかコピーが必要だっていう一般的な例が浮かばなかったのでちょっと特殊な例になってしまいました。というかcopyする機会がこんなにも減っていたのかとちょっと驚愕している・・・。

Comments

[nishiys]

調べてもあまり実例が出てこなかったのはそのような流れがあるからだったんですかね。moveなどは知らなかったので勉強してみます。ありがとうございます。

Answer 3

こんにちは。

例えば、関数のパラメータで「値渡し」したい時、コピー・コンストラクタがないと超面倒ですよ。

void foo(IntArray iIntArray)
{
}

int main()
{
    IntArray a(3, 0);
    foo(a);
}

コピー・コンストラクタがなかったら、どう書けばよいのか、パッとは思いつきません。
privateメンバを本質的にprivateを維持して渡すことは無理な気もします。

Comments

[yumetodo]

いっそRustみたいに全部moveする世界も別にありなのかなと思ってその回答をしなかった・・・

[nishiys]

なるほど値渡しのケースは思いつきませんでした。勉強になりました。ありがとうございます。