c++のcommon_typeの実装で
C++
1decltype(true?std::declval<T>() : std::declval<U>())
と書いているところで共通の型を取得していましたが、
これはどういう仕組みで取得しているのでしょうか
大雑把な説明としては、C++言語組込みの条件演算子C ? E1 : E2
それ自身が、第2項E1
と第3項E2
の共通型を求める仕組みを備えています。
C++言語ではあらゆる式(expression)はなんらかの 静的な型 をもちます。条件演算子もその例外ではなく、式true ? std::declval<T>() : std::declval<U>()
もまた静的型をもっています。ここで注意すべきは、「そのプログラムが実行時にどう動くかとは無関係に」式の静的型が求まるという点です。この式をプログラムとして実行するとstd::declval<T>()
相当の結果を得ますが、静的型(static type)の導出はそれとは無関係にコンパイル時に完了します。
c++
1T = int,U = float
2decltype(true?std::declval<int>() : std::declval<float>())
コンパイラは式true ? std::declval<int>() : std::declval<float>()
の静的型、つまり「int
とfloat
の共通型(common type)」を計算しています。仮に条件演算子の条件部(第1項)をfalse
に変えても結果は変わりません。
実はISO C++11標準ライブラリの仕様そのものが、条件演算子?:
を使って定義されています。参照されたライブラリ実装は、まさにこの仕様通り定義したのだと思われます。実態としては「条件演算子?:
仕様で導出されるものが共通型(common type)であり、std::common_type
は型計算を便利機能として提供しているだけ」ですね。
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2019/09/05 07:33