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2019/09/05 07:29

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yohhoy
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スコア6191

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  大雑把な説明としては、C++言語組込みの条件演算子`C ? E1 : E2`それ自身が、第2項`E1`と第3項`E2`の共通型を求める仕組みを備えています。
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- C++言語ではあらゆる式(expression)はなんらかの **静的な型** をもちます。条件演算子もその例外ではなく、式`true ? std::declval<T>() : std::declval<U>()`もまた静的型をもっています。ここで注意すべきは、「プログラムが実行にどう動くかとは無関係に式の静的型が求まるという点です。この式プログラムとして実行すると`std::declval<T>()`相当の結果を得ますが、静的型(static type)の導出はコンパイル時に行われるという意味です。
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+ C++言語ではあらゆる式(expression)はなんらかの **静的な型** をもちます。条件演算子もその例外ではなく、式`true ? std::declval<T>() : std::declval<U>()`もまた静的型をもっています。ここで注意すべきは、「そのプログラムが実行にどう動くかとは無関係に式の静的型が求まるという点です。この式プログラムとして実行すると`std::declval<T>()`相当の結果を得ますが、静的型(static type)の導出はそれとは無関係にコンパイル時に完了します。
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  > ```c++
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  > T = int,U = float
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  コンパイラは式`true ? std::declval<int>() : std::declval<float>()`の静的型、つまり「`int`と`float`の共通型(common type)」を計算しています。仮に条件演算子の条件部(第1項)を`false`に変えても結果は変わりません。
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- おまけ:実はC++11標準ライブラリの仕様そのものが、[条件演算子`?:`を使って定義](https://timsong-cpp.github.io/cppwp/n3337/meta#trans.other-3)されています。 参照されたライブラリ実装は、まさにこの仕様通り定義したのだと思われます。
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+ 実はISO C++11標準ライブラリの仕様そのものが、[条件演算子`?:`を使って定義](https://timsong-cpp.github.io/cppwp/n3337/meta#trans.other-3)されています。参照されたライブラリ実装は、まさにこの仕様通り定義したのだと思われます。実態としては「条件演算子`?:`仕様で導出されるものが共通型(common type)であり、`std::common_type`は型計算を便利機能として提供しているだけ」ですね。

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appendix

2019/09/05 07:29

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yohhoy
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answer CHANGED
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  > decltype(true?std::declval<int>() : std::declval<float>())
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- コンパイラは式`true ? std::declval<int>() : std::declval<float>()`の静的型、つまり「`int`と`float`の共通型(common type)」を計算しています。仮に条件演算子の条件部(第1項)を`false`に変えても結果は変わりません。
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+ コンパイラは式`true ? std::declval<int>() : std::declval<float>()`の静的型、つまり「`int`と`float`の共通型(common type)」を計算しています。仮に条件演算子の条件部(第1項)を`false`に変えても結果は変わりません。
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+ おまけ:実はC++11標準ライブラリの仕様そのものが、[条件演算子`?:`を使って定義](https://timsong-cpp.github.io/cppwp/n3337/meta#trans.other-3)されています。 参照されたライブラリ実装は、まさにこの仕様通り定義したのだと思われます。

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refinement

2019/09/05 06:59

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yohhoy
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answer CHANGED
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  大雑把な説明としては、C++言語組込みの条件演算子`C ? E1 : E2`それ自身が、第2項`E1`と第3項`E2`の共通型を求める仕組みを備えています。
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- C++言語ではあらゆる式(expression)はなんらかの **静的な型** をもちます。条件演算子もその例外ではなく、式`true ? std::declval<T>() : std::declval<U>()`もまた静的型をもっています。ここで注意すべきは、「プログラムが実行にどう動くかとは無関係に式の静的型」が求まるという点です。この式はプログラムとして実行すると`std::declval<T>()`相当の結果を得ますが、静的型(type)の導出はコンパイル時に行われるという意味です。
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+ C++言語ではあらゆる式(expression)はなんらかの **静的な型** をもちます。条件演算子もその例外ではなく、式`true ? std::declval<T>() : std::declval<U>()`もまた静的型をもっています。ここで注意すべきは、「プログラムが実行にどう動くかとは無関係に式の静的型」が求まるという点です。この式はプログラムとして実行すると`std::declval<T>()`相当の結果を得ますが、静的型(static type)の導出はコンパイル時に行われるという意味です。
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  > ```c++
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  > T = int,U = float
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  > decltype(true?std::declval<int>() : std::declval<float>())
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  > ```
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- コンパイラは式`true ? std::declval<int>() : std::declval<float>()`の静的型、つまり「`int`と`float`の共通型(common type)」を計算しています。仮に条件演算子の第1項を`false`に変えても結果は変わりません。
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+ コンパイラは式`true ? std::declval<int>() : std::declval<float>()`の静的型、つまり「`int`と`float`の共通型(common type)」を計算しています。仮に条件演算子の条件部(第1項)を`false`に変えても結果は変わりません。