c言語 仮引数においてスタックにしまう順番について

Question

はじめに

c言語　ポインタ完全制覇(2001年出版version)を読んでいて，本と違った動きをしたので，理由が知りたいです．

やっていること

以下のコードは関数を呼び出し，仮引数がスタックにしまわれる順番を見ています．
また，スタックに積まれる様子を見たかったので，3回だけ再帰にしています．

#include <stdio.h>

void some_func(int i, int a, int b)
{
    printf("some_func%d..&a: %p\n", i, &a);
    printf("some_func%d..&b: %p\n", i, &b);
    if (i > 3) {
        printf("end\n");
    } else {
        some_func(i+1, a, b);
    }
}

int main() {
    int a, b;
    some_func(0, a, b); 
    return 0;
}

期待した結果

本では仮引数bがはじめにスタックにしまわれ，その後に仮引数aがスタックにしまわれると書いてあった．
すなわち，宣言の順番の逆順にスタックにしまわれる．

実際の結果

以下に示すように，仮引数aからスタックにしまわれる．

$./sample
some_func0..&a: 0x7ffee9a590f8
some_func0..&b: 0x7ffee9a590f4
some_func1..&a: 0x7ffee9a590c8
some_func1..&b: 0x7ffee9a590c4
some_func2..&a: 0x7ffee9a59098
some_func2..&b: 0x7ffee9a59094
some_func3..&a: 0x7ffee9a59068
some_func3..&b: 0x7ffee9a59064
some_func4..&a: 0x7ffee9a59038
some_func4..&b: 0x7ffee9a59034
end

試したこと・考えたこと

gccとclangを両方試しましたが，両方ともアドレスは仮引数aのほうが大きくなった．
コンパイラによってメモリへのしまい方が異なるのかもしれない?
中級以上の本を読むのが初めてなので，知らない知識がありそう．

補足情報（バージョンなど）

試した環境は以下のとおりです．
MacOX Mojave 10.14.1

$gcc -v
Configured with: --prefix=/Applications/Xcode.app/Contents/Developer/usr --with-gxx-include-dir=/Applications/Xcode.app/Contents/Developer/Platforms/MacOSX.platform/Developer/SDKs/MacOSX10.14.sdk/usr/include/c++/4.2.1
Apple LLVM version 10.0.0 (clang-1000.11.45.5)
Target: x86_64-apple-darwin18.2.0
Thread model: posix
InstalledDir: /Applications/Xcode.app/Contents/Developer/Toolchains/XcodeDefault.xctoolchain/usr/bin

Apple LLVM version 10.0.0 (clang-1000.11.45.5)
Target: x86_64-apple-darwin18.2.0
Thread model: posix
InstalledDir: /Applications/Xcode.app/Contents/Developer/Toolchains/XcodeDefault.xctoolchain/usr/bin

追記

コードをシンプルなものに変えて実行しました．

#include <stdio.h>

void __cdecl some_func(
    int a, int b, int c, int d, int e, int f, int g, int h, int i, int j
) {} // do nothing

int main() {
    some_func(1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10); 
    return 0;
}

アセンブリは以下のようになりました．(一部略)

_some_func: 
         .
         .
         .
	movl	40(%rbp), %eax
	movl	32(%rbp), %r10d
	movl	24(%rbp), %r11d
	movl	16(%rbp), %ebx
	movl	%edi, -12(%rbp)
	movl	%esi, -16(%rbp)
	movl	%edx, -20(%rbp)
	movl	%ecx, -24(%rbp)
	movl	%r8d, -28(%rbp)
	movl	%r9d, -32(%rbp)
	movl	%ebx, -36(%rbp)         ## 4-byte Spill
	movl	%r10d, -40(%rbp)        ## 4-byte Spill
	movl	%r11d, -44(%rbp)        ## 4-byte Spill
	movl	%eax, -48(%rbp)         ## 4-byte Spill
        .
        .
        .
_main:
        .
        .
        .
    movl    $1, %edi
	movl	$2, %esi
	movl	$3, %edx
	movl	$4, %ecx
	movl	$5, %r8d
	movl	$6, %r9d
	movl	$7, %eax
	movl	$8, %r10d
	movl	$9, %r11d
	movl	$10, %ebx
	movl	$0, -12(%rbp)
	movl	$7, (%rsp)
	movl	$8, 8(%rsp)
	movl	$9, 16(%rsp)
	movl	$10, 24(%rsp)
	movl	%ebx, -16(%rbp)         ## 4-byte Spill
	movl	%r11d, -20(%rbp)        ## 4-byte Spill
	movl	%r10d, -24(%rbp)        ## 4-byte Spill
	movl	%eax, -28(%rbp)         ## 4-byte Spill
	callq	_some_func

アセンブラについて詳しくないのですが，確かにすぐにスタックにしまっているわけではないみたいです．
これは結局最後の4つだけ右からスタックにしまっているということで大丈夫ですか?

Answer 1

x86_64（たいていのIntel64ビットUNIX系がこれ）の標準的な関数呼び出しでは、6番目の引数まではレジスタで渡してしまいます。
関数に入ってから必要に応じてスタックに格納するので、そのアドレスを表示しても原則通りにはならないと思います。

Comments

[otn]

そうか、引数の数を増やすと良いですね。

[退会済みユーザー]

7番目の引数からなんかいろいろコピーしているのはそういうことなんでしょうか?

[daisuke7]

https://wiki.osdev.org/Calling_Conventions
↑のSystem V X86_64 ってのが相当します。
6番目までは、rdi, rsi, rdx, rcx, r8, r9に入れちゃいます。
(rdiとかは64bitレジスタなので、32bitならediとか)
7番目以降はスタックで渡します。

[退会済みユーザー]

回答ありがとうございます。
レジスタを使ってからスタックを使うんですね。

Answer 2

そこらへんはコンパイラにより違います。
引数が出て来る順に押し込むものもあれば、逆のもあり、中にはレジスタに渡して呼び出す、なんてのもありますね。
「呼び出し規約」でぐぐれば、それぞれのコンパイラの流儀がわかります

Comments

[退会済みユーザー]

規約で決まっていて，それがいろいろあるとは知りませんでした．orz
ありがとうございます．

Answer 3

gccだと、アセンブラソースを出力させると分かりますが、-O0で最適化を抑止しても、引数はスタックでなくレジスタで渡しています。
レジスタに入れる順番は、b→a→0の順ですね。