defaultdict()の使い方について

Question

s = [('yellow', 1), ('blue', 2), ('yellow', 3), ('blue', 4), ('red', 1)]
d = defaultdict(list)
for k, v in s:
     d[k].append(v)

sorted(d.items())
[('blue', [2, 4]), ('red', [1]), ('yellow', [1, 3])]
```pythonで以上のようなコードにおいてdefaultdict()の引数に与えられている関数はどういった仕事をしているのでしょうか？
私が調べた限りでは、「引数には初期化時に実行される関数を書く」とあったのですが、初期化の意味に対する理解が曖昧で、腑に落ちません。特に引数の中にintが与えられている例があったのですがint()の初期化の意味が全く理解できないでいます。

教えていただきたいことは、
・上記のコードにおいてdefaultdict(list)のlistはどういう役割を果たしているのか
・defaultdict関数を使う意味
・初期化とはそもそも何ののか
・引数にintが与えられたときintを初期化するとはどういったことを指しているのか
の4点です。
また他にもdefaultdict()に関して重要なことがあるのならば教えていただきたいです。

Answer 1

そのままですよ。

与えられた関数をcall（呼び出し）して初期化します。
（ちなみに関数じゃなくても実は良い。pythonでいうcallable、呼び出し可能なものという概念のオブジェクトを渡せば大丈夫です。関数の他に代表的なcallableはクラス（intもlistもクラスです））

たとえば、intそのものは、引数なしで呼び出すと、

>>> int()
0

となる仕様なのです。

# これか
def f():
    return 0
# これ
lambda : 0

を渡したのと違いはありません。

listも、

>>> list()
[]

たったそれだけの仕組みです。

なので、こんな風に動かすこともできます

>>> def hoge():
...     return "hogehoge~"
... 
>>> from collections import defaultdict
>>> d = defaultdict(hoge)
>>> d[0]
'hogehoge~'
>>> d[1]
'hogehoge~'
>>> d[2]
'hogehoge~'

要するに、「関数オブジェクトっぽく扱える（callできる）ものを渡すと、それを呼び出した結果を初期値にしてくれる」だけです。

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これがどんな風に便利かというと、

>>> d = defaultdict(int)
>>> d["taro"] += 1
>>> d["hanako"] += 2
>>> d["taro"] += 3
>>> d
defaultdict(<class 'int'>, {'hanako': 2, 'taro': 4})

登録されていないキーでアクセスしたときに勝手に初期値をセットしてくれるおかげで、コードが単純になります。

if key in d:
    # keyが入ってるときの処理
else:
    # keyが入っていないときの処理

こんなのを書きたくない、という気持ちにこたえてくれます。

Answer 2

defaultdictじゃなくて普通のdictを使うと次のようになります。

d = dict()
for k, v in s:
  try:
    d[k].append(v)
  except KeyError:
    d[k] = list()
    d[k].append(v)

この場合、

• try節があるのでネストが深くなる
• 初期化の式d[k] = list()がコードの内部にあるので、dの中身が何者なのか分かりづらい
• d[k].append(v)が二回出てくる(もちろんif文使えば1回に出来ますが)

という点で可読性があまり良くないです。defaultdictのメリットとは、これらの細かい処理や初期化方法を予め宣言することで、コードを読みやすくできる点かと思います。