原則として、オンラインとオフラインの責務が一致するように割り当てます。
しかし、抽象論だと分かりにくいので、具体的なモノで喩えてみましょう。
アカウントの管理は、鍵や現金や書類の管理を誰がやるかに似ています。
自宅兼事務所に社長がひとりの零細企業なら、鍵の管理も社長がやります。
一方、大企業だと、隣の部屋に移動するにも、社員証の電子認証が必要です。
アカウントの管理も同じように考えます。
つまり、組織規模に比例して、権限も委譲され、より細かい管理が必要になります。
IT部門がある規模の組織なら、社長が直接持つよりも、
IT部門の構成員がアカウントを持つ方が適切でしょう。
作業する際には、IT部門の人員でひとり1アカウント、が一番分かりやすいです。
そうでない場合が分かりにくいですが、やはり責務と権限で考えます。
決済権を持つ担当者が決済用アカウントも持つ、というのは分かりやすいでしょう。
また、ルートアカウントをIT部門長が持っておくのも分かるでしょう。
ここで興味深いのは、インフラエンジニアが強力な権限のアカウントを持つ場合があります。
これは、インフラ周りにセキリュティなどの重い責務が集まるからだと考えます。
なぜ、集まってくるかといえば、データベースを扱うから、データと一緒に集まってきます。
データベースはデータを集めるから、とはシンプルな説明で拍子抜けするかもしれませんが、
たとえば、「個人情報保護法」がデータベースを対象にしていることなども考慮すると、
たんなる字面の意味以上の重みがあります。情報と一緒に責務も集中しているのです。
しかしもしたとえば、セキリュティエンジニアが別にいるなら、権限も分かれていきます。
つまり、役割は役を割る、分けるものなので、相対的なものです。
ひとりで複数の役を集約してもいいし、ひとつの役を複数で共有してもいい。
結論としては、組織の権限をどう構成するか、という組織設計によりますが、
その解釈が難しければ、IT部門長が割り振ればいいと思います。
オンラインの能力とオフラインの権限を両方持つ存在だから、ちょうど良い粒度でしょう。