0.000000と-0.000000は違うのか

Question

分からないことは題名の通り、c言語（というかパソコン自体）では0.000000 と -0.000000は違う値と考えられているのかという事です。

というのも正弦関数 y = sin(x)のグラフをプロットするプログラムを作成しようとしたら問題が出てきました。
xの値は x = 角度 * (M_PI / 180)で求めています。
0度のときはsin(x) = 0.000000 (= 0 / 1)
180度のときはsin(x) = -0.000000 (= 0 / -1)
-180度のときはsin(x) = -0.000000 (=0 / -1)

この場合、sin(x) == 0 という条件に当てはまるのは0度の時のみでした。
なので条件を変えてみて sin(x) == -0.000000としましたが、今度は全部条件にあてはまりませんでした。

あんまり深く追求する必要は無いのかもしれませんが、知っている方がいらしたら教えてください。
ちなみにプログラム自体は場合分けの条件をsin(x)ではなく、角度にして解決しました。

Answer 1

C言語の浮動小数点数は下記パラメーターで表現されます。

• s 符号(±1)
• b 基数(マクロFLT_RADIXの固定値。通常は2だが、10の場合もあり得る)
• e 指数(最小値eminと最大値emaxは型の大きさによって異なる)
• p 桁数(型の大きさによって異なり、FLT_MANT_DIG、DBL_MANT_DIG、LDBL_MANT_DIGの固定値)
• f_k それぞれの桁での値(0以上b未満)

texで表すとx = sb^e\sum_{k=1}^{p}f_kb^{-k}という数式になります。
※ 上記にあてはまらない非正規化数等の特殊な形式が存在しえます。

これはIEEE 754と互換であり、ほとんどの環境ではIEEE 754のbinary32やbinary64を採用していますが、C言語の仕様としてはIEEE 754であることが必須ではありません。(なお、IEEE 754を採用していない環境を今まで私は見たことがありません)

さて、実際はs,e,f_kが決まればxがわかるため、その三つに分けて表現するデータ構造として浮動小数点数は構成されています。そのため、実装上はsに1bit使用するほうがよく、IEEE 754もそのような構成です。この場合、本来符号が関係無い0やNaNについても符号の情報が存在することになり、C言語の仕様としてもそれが許されており、メモリ上のデータ表現としては区別することができます。つまり、IEEE 754を採用する環境において、0は+0.0と-0.0の二つが存在することができ、厳密に区別されます。

ということで、+0.0と-0.0は(ほとんどの環境において)異なる値です。printf等での出力も異なります(環境による可能性はあります)。ただし、==等での比較においてそれらは区別されず同一と見なされます。異なるのはメモリ上のデータ表現であって、それ自体の本質的な値(メモリ上の表現では無く、それ自体が示す算術的な数値)は両方とも0に等しいからです。

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本当はCの仕様書からひっぱてくる予定でしたが、ちょっとその部分が見つけられませんでした。

Comments

[hiky]

詳しくありがとうございます。書いていただいたこと、すんなり理解出来るようにもっと勉強します。

Answer 2

0.0==-0.0はtrueです。
条件が成立しなかったのは、sin(180度)が誤差のために正確には0ではなかったためではないですか？

int main(){
  printf("%.17f\n", sin(0.0));  //=>0.00000000000000000
  printf("%.17f\n", sin(M_PI)); //=>0.00000000000000012
  return 0;
}

Comments

[hiky]

自分でも誤差を確認できました。ありがとうございます。

Answer 3

こんにちは。

IEEE 754における負のゼロが参考になりそうです。

Comments

[hiky]

参考になるページの紹介ありがとうございます。

Answer 4

質問の意味が理解てきていませんが、丸めの誤差が原因ということではないのですか？