ご質問の㌠は、1991年のユニコード1.0.0版の時点ですでに収載されています (当時のコード表 p.156 (データ上は32ページ目) 参照)。現在ユニコードに収録されている組文字のほとんどが、このときすでに存在します。
ウィキペディアの解説によると、1980年代後半にXerox社内で構想された統一文字コードの案に、コンソーシアム (企業間協議会) が賛同したものが、ユニコードの最初の版の元になっています。各企業が、関係する業界で使われている文字セットを持ち寄ってユニコードに収録してもらったということですね (超要約。詳細はリンク先を読んで下さい)。
組文字は報道・出版業界でよく使われますが、たとえば日本の新聞社では1960-70年代からCTS化が始まっています。つまり、当時すでに㌠などの組文字を使うコンピュータシステムが存在していたので、そのシステムとの互換性のために組文字をユニコードに収録したのだと考えられます[1]。
通貨名の片仮名表記の組文字がないことに当事者からクレームが来たから文字を作った、ということではないです[2]。
[1] ちなみに、ユニコードが構想されたころはメインフレームが幅をきかせる時代で、パソコンは業界の主流ではないです (というか「パソコン」という言葉が使われだしたのがこのころ)。当初収録されたのは基本的にメインフレームの文字セットであったと考えられます。たとえばセント記号やポンド記号について全角形が別途収録されている (U+FFE0、U+FFE1) のも、これらの記号で全角形とそうでない形の字が区別されるようなシステムとの互換性に配慮したのでしょう。
[2] 通貨記号については、発行当事国からの提案によって新たにユニコードに収録されることはよくあります (ユニコードの最近のコード表 [PDF])。