現在(2016年)では パーソナルコンピュータとスーパーコンピュータが主に使われていますが、
昔あったメインフレームとかは今でも使われているのですか??
メインフレームとは何なのかよくわからないのですが、昔のスーパーコンピュータみたいなものでしょうか??
今、使われているとしたら、何のために使われているんですか??
コンピュータの歴史的な部分が知りたいです。
おしえてください。
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ベストアンサー
メインフレームはなくなったわけではありません。今でも細々と存在します。パソコンとメインフレームの一番の違いは設計思想です。
現在のパソコン(パーソナルコンピュータ)のほとんどはAT互換機というものです。CPUのアーキテクチャやメモリの規格、HDD/SSDの接続の規格、キーボードやマウスを繋げる規格、ディスプレイを出力する規格などを定め、(相性問題があるにせよ)互いに交換可能になっています。こうすることで、ベンダーはパソコンの部品もより安価で良いものを選択し、市場原理に基づいて、低価格で高品質なものを提供できるようになっています。ハードだけではなく、その上のOSについても、選択可能にすることで、ユーザーへの選択の自由とベンダー側が開発費を工面する必要がないというメリットが出ます。つまり、パソコンはいろいろなベンダーのいろいろな部品の寄せ集めであり、それをうまく組み合わせているだけに過ぎません。
※ パソコンは個人使用向けですが、複数人で使用するためにサーバと言うのがあります。パソコンと同じAT互換機であるサーバはPCサーバ(PCはパソコンのこと。パソコンというと廉価なイメージがあるためIAサーバということも)と呼ばれます。性能や部品の信頼性が高いだけで、仕組みはパソコンと同じです(だから、安くできます)。
※ AT互換機ではないUNIXワークステーションやUNIXサーバと言う物がありますが、アーキテクチャの違いぐらいで、部品などの調達方針はパソコンとほとんど同じです。これ以降の文章では「パソコン」にUNIXワークステーション・サーバも含まれているとこもってください。
スパコン(スーパーコンピュータ)も同じです。パソコンよりも高速で大容量な部品を使用しているだけに過ぎません。一部はそのベンダーがスパコン向けに作る場合がありますが、その他の部品はやはり寄せ集めです。日本の京も、CPUは富士通が作ったSPARC64ですが、OSはLinuxですし、その他の部品も多くのメーカーの汎用品(ただし一般向けではなく高速性が必要とされる特殊用途向け)を使っています。高速な処理をするために随所に工夫はしていますが、ただのすごいパソコンにすぎません。これらの技術はどんどん性能が良くなっていますので、現在のパソコンは一昔前のスパコンの性能をすでに抜いています。
メインフレームは上とは一線を画します。主にメインフレームが使われてきたのは銀行や大企業での基幹業務です。そこで重要なのは速度よりも安定性と信頼性です。もし、銀行の預貯金処理で演算の間違いなどがあったら大問題ですし、全国のATMが停止したら多くの損失になります。そのような、絶対に停止してはいけない、絶対に間違ってはいけないようなところにメインフレームは使われてきました。なぜなら、メインフレームは安定性と信頼性を重視した設計だったからです。
メインフレームは、CPUやメモリといったハードウェアから、その上に載るOSまで、基本的にすべて一つのベンダーで設計し、作成します。そうすることで、ベンダー側が把握できない部分、つまりブラックボックスになるような部分をなくし、1ステップ単位で処理を調整し、高安定性・高信頼性を実現します。
通常、プログラムに何かしらの問題が見つかった場合、プログラムのソースコードがあればプログラムレベルでは問題について把握ができます。そこに、何も問題がなかったとしたらどうでしょうか?となると、次はOSレベルで問題を見ようとしますが、Windowsを使っていればMicrosoftに問い合わせないとわかりません。いやいやCPUレベルでの問題だとしたら、Intel Coreシリーズを使っていればIntelに問い合わせないとわかりません。もちろん、パソコンを作ったベンダーはこれらのベンダーと協力して問題を解決できるように体制は整えていますが、やはりワンテンポ遅れてしまいますし、なかなか解決できないことも多いのです。しかし、メインフレームは違います。一から十まで全てをそのベンダーが把握しています。そのため、問題が見つかれば、全てのレベルにおいて何が異常だったのかを精査できます。
他にも安定性と信頼性の向上を行っています。速度よりも安定性と信頼性が高い設計の採用し、市場原理で削られてしまうようなマイナーな機能も任意でつけることができます。部品一つ一つについて自社で製造することで、製造試験を確実に行う保証ができます。全てのハードレベルでのエラー検知や、全部品冗長化など、普通のパソコンではできないようなこともできます。OSレベルで処理を制御しているため、処理のステップ数から処理時間を正確に算出することができます。安定性と信頼性という観点では、パソコンなどと比べものになりません。
上の話だと、なんか良い事ばかりじゃないかと思われるメインフレームですが、なぜ廃れたのでしょうか?理由は簡単です。高価だからです。一説には月のレンタル代が数百万円かららしいです。百万円あればそこそこの性能のサーバが買えるこの時代で、あまりにも高すぎます。それでいて、スパコンのように高速というわけではありません。
そこで始まったのかオープン系への移行です。オープン系というのはさきほどのパソコンのことです。家庭で使うようなパソコンではさすがに性能や安定性・信頼性に問題があるため、より高性能で高安定性・高信頼性があるPCサーバを使うと言うことです。このときの方向性はだいたい四つです。
- 安定性や信頼性がそれほど重要ではなかった基幹業務について普通のPCサーバを使うようにします。普通のPCサーバでも性能が向上し、信頼性も高くなったため、それで十分の場合が多いです。
- メインフレームを全て自社開発から、OSや部品の一部を汎用品に変えることで、価格を抑え、引き続き使って貰うようにします。言ってみればメインフレームのPCサーバ化です。(IBMのメインフレームはLinuxが使用できます)
- PCサーバ自体の安定性と信頼性を上げ、メインフレームの代替に使えるようにします。言ってみればPCサーバのメインフレーム化です。(富士通は基幹IAサーバと言っています)
- 大量の廉価なPCサーバを並列に繋ぐことで全体の安定性と信頼性を上げ、メインフレームの代替に使えるようにします。(GoogleやAmazonのクラウドはこの仕組みです)
パソコン等のオープン系は年々性能が向上して行ってきています。また、技術の向上により高安定性・高信頼性を謳うPCサーバもあります。クラウドの仕組みと併用すれば、24時間365日、稼働率ほぼ100%も可能になっています。それらを安価に提供できるようになって来ており、こうしてますますメインフレームはいらなくなってきているということです。ただ、本当になくなるというわけではありません。メインフレームで実現していた高安定性・高信頼性に近づけることは、現在のパソコンの調達方法の仕組みでは限界があります。銀行の基幹系の一部など、どうしても必要な分野では僅かばかり生き残っていくのではないかと思います。
投稿2016/07/17 09:15
総合スコア21735
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メインフレームについて詳しい説明をしていただいているので、コンピュータ全体の市場の歴史を少々。
コンピュータのジャンルは時代と共に変化していて、そのジャンルも合流したり分流したり途絶えたりを繰り返しています。その重要な地点にやはりパソコンはいます。以下のジャンルをちょっと整理してみましょう。
・スーパーコンピュータ(スパコン)
・メインフレーム
・ミニコンピュータ(ミニコン)
・オフィスコンピュータ(オフコン)
・(UNIX)ワークステーション
・(UNIX)サーバ
・マイコン
・パソコン
・PCワークステーション
・PCサーバ
まず、使用目的からコンピュータの使用目的を以下のように分けます。
・科学計算
・基幹/オンライン事務システム
・オフィス/クリエイティブ業務
・ホビー/ゲーム
えっ全部パソコンでできる? ええ、ある時期からはそうなりました(だからこそ、パソコンは重要な地点にいる、と書いたわけですが)。が、草創期はそうではありませんでした。
まず最初、コンピュータは机に置いて一人で使うものではありませんでした。学部に一台とか大企業に一台とかそういう高価なものであったため、一台をネットワーク経由で共用するものでした。そんなもののうち⋯
・科学計算用のコンピュータ→大規模なものをスパコン、中規模以下のものをミニコン
・基幹/オンライン事務システム用コンピュータ→大規模なものをメインフレーム、中規模以下のものをオフコン
と呼び分けました。
ここでいう「大規模」は部屋一個レベル、「中規模」は冷蔵庫レベルと思っていただければ。
科学計算用と事務用のが別々に扱われているのは、目的によってハードウェア構成が変わってくるからです。事務用のが、CPUを使ういまのパソコンに近いアーキテクチャで、科学計算用のは配列をまとめて演算する機能(ベクトル演算)に特化した作りになっていて、いまで言うとGPGPUで実現しているコンピューティングです。
プログラムの開発技術も当然異なっていました。科学計算用にはベクトル演算を記述しやすいFORTRANが、基幹/事務用にはビジネスルールを英文的に書き下ろしやすいCOBOLが使われるのが普通でした。
ネットワーク経由で共用するということで、ユーザーが使う側のクライアントマシンはどういうものであったかというと、キーボードとディスプレイがあるだけの独立したコンピュータではない端末、ダム端末と呼ばれるものです。
机の上に置いて一人が使えるマシンがその後登場し、ワークステーションと呼ばれることになります。ただそれでも高価なので、いまの会社のPCでするようなワープロや作表のような単なるデスクワーク用ではなく、本当にコンピュータにしかできない仕事、機械設計だったりCG作成だったりDTPだったり向けです。OSにはUNIXが用いられていました(Windowsはまだありません)。
パソコンの源流となるホビー用の個人向けコンピュータは当初マイコンと呼ばれていました。ディスプレイが付くようになったのは後の方からで、最初はいまのRaspberry Piのようなボードマシンでした。マイコンがパソコンとなっていったのはやはり、MS-DOSという「発明」が転機でしょう。マシンの仕様を公開・統一して同じOSが各社マシンで使えるようにするという発想はそれまでにはなく、IBMのPC/ATでそれが「発明」されMS-DOSという統一OSが普及したことでマイコンはもっと実用的なパソコンに進化した、と私は解釈しています。
パソコン、「パーソナル」なコンピュータと呼ばれるだけあって、業務で使うには当初いろいろ足りていませんでした。MS-DOSも、その後継のWindowsも、まずユーザーとかログインとか権限とかいう概念がありませんでした。マシンの性能的にそんなもの対応していられなかったというのはあります。そして、そういうレベルなだけに自宅用の域をなかなか出なかったのです。
一方のUNIXは、ワークステーションとして以外にも共用マシンとしての使い方、サーバへ用途が広がります。UNIXサーバです。インターネット草創期、サーバは、WebサーバもメールサーバもUNIXサーバなのが当たり前でした。
さてパソコン。マシンの性能が急速に向上すると共にWindowsがWindowsNTに置き換わってUNIX並みの仕様となったこともあって、他のジャンルを食い始めます。ワークステーションにまず食い込み、PCワークステーションと呼ばれました(いまはそれも当たり前になったので、再び単にパソコンと呼ばれています)。サーバもですね。もともとパソコン用OSであったLinuxが主役となります。PCサーバです。
パソコンはもっと小規模な方面にも進出します。自動車電話が小型化・高機能化を進めてきた携帯電話、これもパソコンが小型化して通信機能を持つことで置き換えてしまいましたよね。スマホです。スマホとノートパソコンの中間の存在、タブレットという新ジャンルも開拓しました。小型組み込み機器にもパソコンが進出しています。無線LANルータなんか、あれ中身は小さなLinux PCです。
大規模な方面、まず科学計算方面だと、ベクトル型のスパコンも健在ですがパソコンのマシン仕様の延長上のスパコンが主流になってきました。最初の方にも書いたGPGPU技術によるものです。基幹/事務用メインフレームのパソコン型への置き換えも進んでいます。基幹システムの世界ではパソコン型マシン仕様、というか公開統一仕様による汎用OSを使ったコンピューティングの世界のことをオープン系と呼びます。
投稿2016/07/17 15:56
総合スコア5568
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数年前までメインフレームのSEやっていました。(語らせて下さい!)
過去の話は、他の方がされていますので現在の話をします。
現在、メインフレームは銀行や保険を中心に使われれいます。(私は製造業の担当でした。)
処理能力的には、現在のサーバコンピュータでも十分に運用が可能です。海外の金融機関ではサーバ系のOSも珍しくは無いらしいです、ただし、サーバに移し替えるためには、コードの大部分を書き換える必要があります。サーバのOSとメインフレームのOSではアーキテクチャが違いすぎるのです。
また、常に数十人からの技術者が数十年にわたって積み重ねていたコードと言うのは莫大な量になっています。変更を重ねたコードと言うのは複雑になりがちです。仕様書は基本残っていますが、緊急対応のバグの修正などが仕様書に漏れている可能性もあるので、正しい仕様は仕様書を実際のコードを比較して更に、あるべき姿を仕様とする必要があります。(その中には何年かに一度しか起こらないが、一度起こると大変なことになるバグの対応や、たった数件のデータのために対応したコードなどがあります。)
そういうわけで、メインフレームからサーバへの移行は莫大な費用がかかることになります。現行システムの保守費用はサーバの方が安いのですが、移行費用に比べるとそれほどお得とは思えないことになります。私の担当したシステムは、最盛期には従業員が数百人の工場をもつ事業部のシステムだったのですが、担当時には40名ほどの人数になっていました。莫大な費用をかけて移行するどころか、サーバに生産管理のパッケージソフトを入れるほどの予算も採算が取れない状況でした。
逆に銀行などは、システムが活発に更新されている分、既存の資産が大きく移行費用が莫大になります。また、業務そのもののシステムへの依存度が大きいので、不具合があった場合の影響も大きいので、なかなか刷新出来ません。
そのようなわけで今でもメインフレームは利用されています。(実際のところJAVAなども使えるようなので、移行する必要がないという考え方も出来ます。)
現在は、メインフレームを作っていたメーカーが、メインフレーム用のOSもサーバ用のOSもインストール出来るマシンを作っています。逆をいうと、今ではメインフレームとはOSの種類と考えて差し支えないようになっています。(回答はこの行だけでよかったかも・・・)
たとえば、IBMのSystemZというメインフレームのOSのページではクラウド対応やLinuxのインストールをうたっています。
投稿2016/07/17 13:02
総合スコア2883
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メインフレーム
どうぞ
投稿2016/07/17 06:46
退会済みユーザー
総合スコア0
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退会済みユーザー
2016/07/18 08:33
2016/07/18 10:17
2016/07/20 06:55 編集
退会済みユーザー
2016/07/20 07:22
0
コンピュータ博物館
http://museum.ipsj.or.jp/
懐かしの~
'
コンピュータ博物館
https://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E5%8D%9A%E7%89%A9%E9%A4%A8&lr=lang_ja&gws_rd=ssl
コンピュータ博物史
https://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E5%8D%9A%E7%89%A9%E8%AA%8C&lr=lang_ja&gws_rd=ssl#lr=lang_ja&hl=ja&tbs=lr:lang_1ja&q=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E5%8D%9A%E7%89%A9%E5%8F%B2
’
興味があれば、
日本語ワープロを開発した技術者のブログなども、探せるはずです。
(技術的実現の可能性は、当時の大型機で検証されて、論文発表された様子)
北辰電気の、プラント向けコンピュータや、
磁気ドラム(安くして、売上も利益も減らした、アホ話があったり)
投稿2016/07/17 10:12
編集2016/07/17 10:17総合スコア2028
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メインフレームは今でも使われているようですね。
違いは説明すると長くなるのですが…
蒸気機関とガソリンエンジンくらい違うと考えてください。
ただし、昔のものと今のものとではだいぶ様子が
変わってきている(進化している)みたい。
用途としては昔作ったプログラムを動かすため
ってのが大きいんじゃないかなあ。
メインフレームから移行したところもあるようですが、
費用的/人的にそれが無理だとしていまだに
使い続けているところもあると聞きます。
投稿2016/07/17 06:51
総合スコア7458
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ハードウェアの歴史だけでなく、ソフトウェアの歴史も研究をすると面白いとおもいます。
参考:
- wikipedia メインフレーム https://ja.wikipedia.org/wiki/メインフレーム
投稿2016/07/17 10:45
編集2016/07/17 10:46総合スコア22324
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2016/07/18 10:32