「非推奨」のメソッドがなくならないのはなぜ？

Question

Javaの標準ライブラリに含まれるクラスには便利なメソッドが多数存在しますが、「非推奨」のメソッドも多数存在します。
非推奨になってまだ日が浅いものなら、新メソッドへの完全移行までの猶予として非推奨メソッドが残されるのは理解できます。
しかし、java.util.Dateクラスのほとんどのメソッド・コンストラクタはJDK1.1の段階で非推奨になっています。WikipediaによればJDK1.1のリリースは1997年2月19日、つまり19年も前です。
なぜこのようなメソッドが今現在も存在し、「非推奨」メソッドとしてドキュメントにも残り続けているのでしょう？

Answer 1

Javaは極めて保守的な言語です。また、1.0以降、一度もメジャーバージョンが上がったことはありません※。新しいマイナーバージョンが出た場合でも、なるべく過去のバージョンと互換性を残すようにしています。そのため、余程の理由がない限り既にあるメソッドを削除することはありません。
※ 1.2からJava 2と呼んだり名称自体は二転三転していますが、ずっと内部バージョンは1.xのままです。

「非推奨」をいつ「廃止」にするかは言語開発の戦略によって異なります。「非推奨」は警告が表示されるぐらいで、過去に作ったプログラムも動かすことができますが、「廃止」ではエラーとなり、必ず修正が必要になります。そのため、どのような言語でもかなり慎重に行われています。「廃止」されるタイミングはだいたい次の通りです。

• 大きな非互換が許容されるメジャーバージョンアップ時に「廃止」されるもの
  • 多くのプログラムで既に使用されている機能
  • 内部実装や言語仕様の変更に伴い、実装が不可能または無意味になった機能
• 小さな非互換しか許容されないマイナーバージョンアップ時に「廃止」されるもの
  • 使用者が極めて少なく、影響が軽微だと開発者が思い込んでいる機能
  • セキュリティ上、極めて危険性が高い機能
• 本来非互換が許容されないパッチバージョンアップ時に「廃止」されるもの
  • バグ修正の影響で実装が不可能になった機能(そもそも、存在することがバグだったという話)

Comments

[swordone]

つまりメジャーバージョンが変わらないうちは、メソッドが「増える」ことは許容できても、「減る」ことは許容されにくいということでしょうか。
ただ、現状、無条件でNoSuchMethodErrorをスローするThread.destroy()メソッドのようなものまで非推奨で残しておく必要があるのでしょうか？

[raccy]

Java開発者達の戦略としてどうしたかったのかははっきりとは言えませんが、とりあえずコンパイルまではできるから互換性が少しは保たれている、としたかったのかも知れません。

[swordone]

ありがとうございました。大変参考になりました。

Answer 2

こちらが参考になるかな、と。
非推奨ながら使われているから互換性のために消せないと言う感じでしょうか。

http://www.coppermine.jp/docs/programming/2011/12/java-util-date.html