alignasで1バイトアライメントができない

Question

OS, CPU: 64bit
コンパイラ: VC++2015

以下の様に、1バイトアライメントを指定すると、「アラインメントを既定のアラインメントより下位に設定することはできません」とエラーが表示されます。

class alignas(1) CBase {
private:
	char a[62];
	int b;
	char c;
	char d;
};

以下の様に、pragma packを使用すれば、1バイトアライメントができました。
しかし、ソースがコンパイラ依存になります。
標準の機能を使用した1バイトアライメントは、できないのでしょうか。

#pragma pack(1)
class CBase {
private:
	char a[62];
	int b;
	char c;
	char d;
};
#pragma pack()

Answer 1

#pragma packとalignasは目的が違います。

#pragma packはクラスや構造体の中のメンバ変数の配置を指定するもので、主に「隙間を詰める」目的で使います。

一方、C++11で追加されたalignasは、文字通りメモリに配置する際のアラインメントを強制するのが目的です。言い換えれば「隙間を空ける」ことでアラインメントを調整します。

alignasは、#pragma packではなく、__declspec(align(n))を置き換えるものです。残念ながら#pragma packに相当する機能はC++標準にはまだ存在しません。

Comments

[JADEN]

回答ありがとうございます。
残念ですが、C++17に期待します。

[Chironian]

> 言い換えれば「隙間を空ける」ことでアラインメントを調整します。

確かに、C++11のn3337みてもそんな印象を受けますね。
ただ、他のalignas指定を緩めることはできない旨は明記されてましたが、デフォルトのアライメントを緩めることが出来ない旨の記載を見つけることができませんでした。

alignasを使って構造体の処理系間の互換性を保つためには、対応する処理系の最も厳しいアライメントに合わせて指定する必要があります。であれば、1に対応した処理系にしか対応しないと開発者が決めた時、隙間を詰める方向も許して良いように感じます。

私が見つけ損なっているのではなく、本当に規格書に明確な定めがないのであれば、実装側の問題かも知れません。

残念なことに、MinGW(gcc)は警告もエラーも無くalginas指定を無視しました。（sizeof(CBase)が72) せめて警告は欲しいような。

[catsforepaw]

Chironian さん

最初に目的が違うと書きましたが、alignasは処理系間の互換性のためではなく、むしろ処理系依存の実装をしやすくするためのものだと考えています。一番よく使いそうなのはSIMD命令などでCPUのバス幅を超えるアラインメントに配置しないといけないケースが考えられます。

> 隙間を詰める方向も許して良いように感じます。

規定のアラインメントに従ってメモリに配置しないとアクセスできないという厳しい制限のあるCPUも存在するので、パッキングすると動かなくなるというケースが出てきてしまいます。レアケースかもしれませんが、標準化するとなるとそれを無視するわけにはいかないでしょうから、微妙なところでしょうね。

[Chironian]

catsforepaw さん、コメントありがとうです。

> alignasは処理系間の互換性のためではなく、むしろ処理系依存の実装をしやすくするためのものだと考えています。

なるほど。処理系間の互換性のためでないのなら理解できる仕様ですね。

> パッキングすると動かなくなるというケースが出てきてしまいます。

問題はそこですね。そのような処理系でコンパイルされたら警告すればよいようにも思いますが、それでは不十分なのでしょうね。残念。