#defineだと正常に動くがintだと上手くいかない

Question

rawファイルを読み込み、そのコピーを作成するプログラムを、Visual Studio 2019で作成しています。

↓これだと上手くいくんですが

#include <stdio.h>

#define W 25
#define H 25
void main()
{
	unsigned char img[H][W];
	FILE *fp1,*fp2;

	fp1 = fopen("fxct.raw", "rb");
	fp2 = fopen("fxct_cpy.raw", "wb");

	fread(img, sizeof(unsigned char), H * W, fp1);
	fwrite(img, sizeof(unsigned char), H * W, fp2);

	fclose(fp1);
	fclose(fp2);
}

↓これだと、コンパイルしようとすると「式には低数値が必要です。」というエラーメッセージが表示されます。

#include <stdio.h>

void main()
{
	int W = 25;
	int H = 25;
	unsigned char img[H][W];
	FILE *fp1,*fp2;

	fp1 = fopen("fxct.raw", "rb");
	fp2 = fopen("fxct_cpy.raw", "wb");

	fread(img, sizeof(unsigned char), H * W, fp1);
	fwrite(img, sizeof(unsigned char), H * W, fp2);

	fclose(fp1);
	fclose(fp2);
}

最初に＃defineで定義するのと、途中でintで定義するのでなぜ違いが出るのでしょうか？

Answer 1

配列作成時のサイズが定数式ではない(コンパイル時に決定できない)書き方はVLAと言われる機能です。C99で正式採用されましたが、C11でオプション実装に格下げされました。そして、注意すべきことですが、C++には最新のC++20(現在策定中)でも、VLAをサポートしていません。C++は基本的にCの仕様を含みますが、一部例外があり、VLAはその例外の一つです。

Visual StudioのC/C++コンパイラcl.exe(かつての製品名からVisual C++とも言われる)はC++をメインターゲットに作られているため、Cに対する仕様は、Cの中のC++で必要とされている部分に限られます。つまり、**最新のVisual Studioであっても、VLAには対応していません。**どうしても、VLAを使いたいというのであれば、Visual Studio標準のコンパイラではなく、Clang(オプションでVisual Studioでもインストールして選択可能)を使うか、GCC等の他のコンパイラを使用して下さい。

Answer 2

コンパイル時に値が確定しているか、わからないか、の違いですね

Answer 3

'#define'等#で始まる命令はちょっと特殊な一群で「プリプロセッサ(あるいはプリプロセス)命令」という奴らです。こいつらは、(一般的な意味での)コンパイルの最初にソースコードを「文字として」加工して、それが(狭義の)Cコンパイラで処理されてオブジェクトになる...という働きと思ってください。(#pragmaとかはまたちょっと違うけど)

で、#defineは文字列の置換を行います。

#define W 25
#define H 25
    unsigned char img[H][W];

とあったなら、Wは25, Hは25に文字として置き換えられて

    unsigned char img[25][25];

が実際にコンパイルにかけられます。置き換えは単語としてマッチしますから、WWが2525になったりはしません。
(余談)置き換えられた結果もC/C++の文法に合致していなければいけません。それがエラーになったとき、コンパイラによっては#defineによる置換との絡みでエラーメッセージが解釈しにくくなったりすることはあります。#define printf aaa として、printfがaaaに置換されているけどエラーメッセージはaaaという関数は宣言されてない、となったりするような。

さて。話はガラリと変わって。
C/C++では基本的に配列の要素数は定数でなければいけません(「基本的に」というのはCではオプション規格でいろいろあるので)。これはCが1970年代、まだコンピュータの能力が低かった時代に作れらた当時の限界に由来すると私は思っていますがとにかく、配列を宣言するときはその要素数は定数でなければいけない(初期化や代入等のプログラムの動作によらず、ソース上で要素数が確定出来なければいけない)、という制限があるのです。

    int W = 25;
    int H = 25;
    unsigned char img[H][W];//初期化によってHやWが決まっているので不可

これに違反したのが「定数値が必要」のエラーです。

#defineの場合は文字列の置き換えによって定数になっているのでエラーにはならなかったというところですね。

(余談)関与する値が定数であれば式の演算結果も定数になるので、
int array[25 * 100];
なんていう宣言は正当です。

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蛇足。
「最初に」とか「途中で」とかは関係ありませんよ。もしかして#defineはプログラムの先頭に書かなきゃいけない、とか思い込んでいますか?

#include <stdio.h>

void main()
{
#define W 25
#define H 25
    unsigned char img[H][W];

でも

int W = 25;
int H = 25;
//変数のスコープが変わるので別の影響が出ることはあるけれど
void main()
{
    unsigned char img[H][W];

でも、エラーは変わらないでしょ?

Answer 4

うまくいかないとはunsigned char img[H][W];でコンパイルエラーになることですか？
添字に変数を使用する可変長配列はC99からの機能なのでVisualC++などのC99未対応のコンパイラではエラーになります。

Comments

[great-degin]

説明不足で申し訳ありません。
Visual Studio 2019で作業を行っているのですが、コンパイルしようとすると「式には低数値が必要です。」というエラーメッセージが表示されます。

[SHOMI]

VisualC++のサポートするC言語規格はC89(C99の関数も部分的にサポートしていますが)なので可変長配列は使えません。