なぜ以下のコードはconst 右辺値参照できないのでしょうか。

Question

#include <iostream>	
#include <vector>
#include <string>

using namespace std;

auto& f(vector<string>& _vec)
{
	cout << &_vec << endl;

	return _vec;
}

int main()
{
	vector<string> vec{ "str1", "str2", "str3" };
	cout << &vec << endl;

	auto && ad1 = f(vec);
	cout << &ad1 << endl;
	//const auto&& ad2 = f(vec);	// なぜエラー?
	//cout << &ad2 << endl;
	auto& ad3 = f(vec);				// なぜ左辺値参照できる?↓
	cout << &ad3 << endl;
	const auto& ad4 = f(vec);
	cout << &ad4 << endl;
}

Answer 1

関数fの戻り値型はvector<string>&に推論されます。

auto& f(vector<string>& _vec)
{
    // ...
    return _vec;
}

const auto&& ad2 = f(vec);

部分式f(vec)は左辺値参照型vector<string>&の左辺値に評価されます。const auto&&はconst右辺値参照型にしか推論されえないため、左辺値→const右辺値への変換に失敗しコンパイルエラーとなります。

auto& ad3 = f(vec);

auto&は左辺値参照型へと推論されます。ここではvector<string>&に推論されます。

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本質問の発端になっていると邪推しますが、下記auto&&はその見た目に反して 右辺値参照型に推論されていません。

auto && ad1 = f(vec);

このauto&&表記やテンプレート型パラメータTを用いたT&&表記では、Forwarding Reference （俗称：Universal Reference）と呼ばれる特殊な型推論が行われます。

型推論プロセスは次の通りです：

• auto&&は型パラメータTを用いたT&&と同義です。
• 型パラメータTは左辺値参照型vector<string>&に推論されます。
• T&&はいったんvector<string>& &&（左辺値参照型への右辺値参照型）と解釈されます。
• Reference collapsingとよばれるC++規則により、最終的には左辺値参照型vector<string>&となります。

Comments

[__ook]

>> 本質問の発端になっていると邪推しますが、下記auto&&はその見た目に反して 右辺値参照型に推論されていません。

ああ…なるほど…
ユニバーサル参照がこれなのですね…把握しました…ありがとうございます。