クロージャーの原理が分かりません

Question

クロージャーの原理が分らないため、質問させて頂きました。

 Auth.auth().createUser(withEmail: emailTextField.text!, password: passwordTextField.text!) { (user, error) in
      
      if error != nil{
          
        print(error as Any)
        
      }else{
        
        print("ユーザーの作成が成功しました")
        
        
      }
      
    }
    

分らない原因なのですが、関数は、「引数が入ってから実行される」ものであると理解しています。しかし、上記のAuth.auth().createUser関数はまず、関数の中身が実行されてから、その値が、userそして、errorに入るといったものです。
createUser関数の形はTrailing Closureといったクロージャーであることは理解しているのですが、Trailing Closureは引数の最後の部分を、()の外に出すことでコードの可読性をあげる記述方法であるかと思います。しかし、これは引数の最後の部分を外に出しているだけであり、関数の結果を代入する為の変数ではないと思います。
何故、user, errorにcreateUser関数の結果が入るのかが分かりません。
どなたか、教えて頂けましたら幸いです。
よろしくお願いします。

Answer 1

まずcreateUserの宣言を見てみましょう。
func createUser(withEmail email: String, password: String, completion: AuthDataResultCallback? = nil)
となっています。ここでAuthDataResultCallbackは
typealias AuthDataResultCallback = (FIRAuthDataResult?, Error?) -> Void
であり、関数の別名です。
(FirebaseはObjective-Cベースですのでややこしいですが、FIRAuthDataResultのSwift上での名前はAuthDataResultです。）

クロージャと関数はほぼ等価ですので関数から考えてみましょう。

fun completionFunction(user: AuthDataResult?, error: Error) {

	if error != nil{

		print(error as Any)

	}else{

		print("ユーザーの作成が成功しました")


	}
}

こういう関数を作っておけば提示のコードはこうなります。

Auth.auth().createUser(withEmail: emailTextField.text!, password: passwordTextField.text!, completion: completionFunction)

最後の引数に渡したのは関数です。
ここまで書けばわかったと思うのですが、提示のコードのクロージャのuser, errorはいわゆる仮引数です。

この関数/クロージャはcreateUser関数に渡しただけであり実行はされていません。
その実行はcreateUser関数内で行われます。
createUserメソッドは関数の呼び出しを介して、通信結果を伝えているというわけです。

---

追記

第一級関数（関数やクロージャ）を使う例

func g(f: (Int) -> Int) -> Int {
    let result = f(5) * 10     // ここで渡した関数が実行される
    return result
}

let r = g { i in
    return i + 3
}

print(r)
// prints 80

Comments

[ruuuu]

ご丁寧に教えてくださりありがとうございます。
噛み砕いて教えて頂きましたおかげで大分理解することができました。
ですが、一点だけ疑問点があるのですが、「createUser」の中で実行されるクロージャの仮引数である「user, error」は、createUser関数内で、「completionFunction(user:"テスト",error: "エラー",)」のような形で値が渡され実行されるという感じなのでしょうか？

[MasakiHori]

そうです。
簡単な例を追記しました。

[ruuuu]

追記ありがとうございます。
度々のご質問で申し訳ないのですが、「let result = f(5) * 10」こちらの部分なのですが、「let result = g(f:5) * 10」このような形ではないのでしょうか？また、「func g(f: (Int) -> Int) -> Int { 」こちらでは戻り値の型を示す「-> Int」が２つあるのですが、それは何故なのでしょうか？

[MasakiHori]

(Int) -> Int で一つの型の名前になります。
これは第一引数にInt型の値を取りInt型の値を返す関数、の型の名前です。
ですので、仮引数の f は関数です。
その呼び出しは f(5) となります。

[eytyet]

gの定義を誤解されていると思います。
戻り値が二つあるのは、最初のが関数型fの定義で、次のが関数gの戻り値だからです。
関数gに渡している引数f は、型が (Int) -> Int です。これは、f が Int を受け取って Int を返す関数型であるという意味です。gの内部では、f(_ param:Int) -> Int として関数fが宣言されているとみなせます。このためf(5)として、引数として渡された関数fを呼び出す事ができます。

Answer 2

クロージャーの理解はあっていると思います。
提示されたコードの場合、クロージャーはcreateUseer()の引数の一つです。ですので、ここでクロージャーが実行されるのではなく、createUser()の中でクロージャーが実行される、と考えてください。