なぜ以下のコードは右辺値参照できないのでしょうか。

Question

なぜ以下のコードは右辺値参照できないのでしょうか。

#include <iostream>	
#include <fstream>
#include <string>
#include <vector>

using namespace std;

auto cp(vector<string> original)
{
	auto ret = original;
	return ret;
}

int main()
{
	vector<string> original{ "first", "second", "third" };

	const auto		OK = cp(original).at(0);	// OK
	const auto&&	NG1 = cp(original).at(0);	// NG1 そもそも構文エラー表示が出る
	const auto&		NG2 = cp(original).at(0);	// NG2 メモリ破壊される エラー表示はなし

	cout << OK << endl;
	cout << NG1 << endl;
	cout << NG2 << endl;
}

僕の考えていた内容だと

• NG1...OK
• NG2...構文エラーかと思っていました。

【追記】
あー、ベクターの一次オブジェクトの一部のみを参照し続けることができないということですかね。
でもそれだとなんでNG2は構文エラーではないのだろう...

Answer 1

vector::atの返り値は、そもそもが左辺値参照です（cpprefjp）。右辺値参照への代入はできません。

Comments

[__ook]

ああ…そうなのですね…
つまり、左辺値参照はできるものの一時オブジェクトのため破棄され、参照できなくなった、ということでしょうか。

[maisumakun]

そうですね、NG2については、一時オブジェクトへの参照を後から使おうとしてクラッシュしています。

[__ook]

とても理解できました。ありがとうございます。

Answer 2

こんにちは。

std::vectorのat関数は左辺値参照を返却します。右辺値参照は「左辺値」を参照できません。

std::auto_ptrのコピー代入演算子／コンストラクタが左辺値を参照して勝手に書き換える問題に対処することも右辺値参照導入動機の１つですが、「左辺値」を参照しようとするとエラーにすることで「勝手」に書き換えられることを防いでいます。（明示的にstd::move指定が必要。）
その結果、提示されたケースもコンパイル・エラーになります。

const auto&& NG1 = std::move(cp(original).at(0));

のようにstd::moveを追加することでコンパイルは通るようになりますが、当たり前ですけどそのような無茶をやっても期待通りには動作しません。NG1の定義文の終わりでcp()関数の戻り値は開放されますから、その一部への参照はNG1の定義文が終わると不正参照になりますので。

std::moveは、そのような不正操作を行いにくくすることでミスを回避する仕組みです。

あー、ベクターの一次オブジェクトの一部のみを参照し続けることができないということですかね。

その通りですね。std::vector自体が破棄されてもその一部のみは破棄しないという機能をオーバーヘッド無しに実現するのは無理と思います。そのような機能のサポートはC++の思想とは相容れないと思います。

でもそれだとなんでNG2は構文エラーではないのだろう...

左辺値参照を左辺値参照で初期化できないと辛すぎません？
下記ができなくなりますよ。

class Foo
{
    Bar const& mBar;
public:
    Foo(Bar const& iBar) : mBar(iBar) { }
};

Comments

[__ook]

atの返却が左辺値ということを知らなかったが故の発言でした。お恥ずかしい。
左辺値参照を左辺値参照で初期化できないと辛すぎますね、その通りだと思います。
ありがとうございました。