Comparatorの<? super T>の意味

Question

前提・実現したいこと

Javaで木構造の勉強をしております。
Javaについてはジェネリクス型まで一通りさらってからデータ構造を勉強しているのですが、
教科書に唐突に出てきた<? super T>の意味がわからず困惑しております。

該当のソースコード

private Node<K, V> root; // 根
	private Comparator<? super K> comparator = null; // コンパレータ

	// --- コンストラクタ ---//
	public BinTree() {
		root = null;
	}

	// --- コンストラクタ ---//
	public BinTree(Comparator<? super K> c) {
		this();
		comparator = c;
	}private Node<K, V> root; // 根
	private Comparator<? super K> comparator = null; // コンパレータ

	// --- コンストラクタ ---//
	public BinTree() {
		root = null;
	}

	// --- コンストラクタ ---//
	public BinTree(Comparator<? super K> c) {
		this();
		comparator = c;
	}

試したこと

非境界ワイルドカード型という総称？のようですが、一時間ほど格闘してもあまり実態がつかめませんでした(superがついているのでより複雑？)

非境界ワイルドカード型について、そもそも一般的に使われているのかなど、初心者にわかりやすく教えていただけないでしょうか。

よろしくお願いいたします。

Answer 1

? super Kは「下限境界ワイルドカード」です。
「非境界ワイルドカード」は?単体の時に言い、? extends Tという形の「上限境界ワイルドカード」も存在します。
いずれもJDKのメソッドには結構入っています。Streamクラスを見るとこの表記が多数みられると思います。
簡単に言うと、そのジェネリクスとして受け入れられる型に制限を加える機能です。
この場合Kはこれが属するクラスのインスタンス化の時に決定しますが、これが持つComparatorのジェネリクスはKまたはその親クラス・親インターフェースの型のみ可能という意味になります。

例えばこのNodeクラスをNode<Integer, String>のような型にしたとします。
この時Comparatorは、Integerを比較できるものであればいいことになります。
そのためには、Comparatorのメソッドcompareが、引数にIntegerをとれる形であればいいことになります。
Integer型のオブジェクトは、親クラスであるNumber型の変数にも代入できますし、Object型の変数にも代入できます。
ならば、Comparatorの型はIntegerに限らずとも、Integerの親クラスを扱うものでも問題ないはずです。

// Comparatorのイメージ

// Comparator<Integer>
public int compare(Integer o1, Integer o2)  //これはもちろんIntegerを受けることができる

// Comparator<Number>
public int compare(Number o1, Number o2)  //これでもIntegerを受け取れる

// Comparator<Object>
public int compare(Object o1, Object o2)  //これでも問題なくIntegerを受けられる

そのため、このようなComparatorをすべて使えるようにしたい。また、それ以外のComparator,例えばComparator<String>はIntegerを比較するためには使えないので、それは受けられないようにしたい。
そのような型宣言が、Comparator<? super Integer>なのです。

このページも参考にしてみてください。

Answer 2

Comparator<? super K>を日本語に直すと、「Kもしくはその先祖クラス（親クラス、その親クラス、...、Object）に対するComparator」となります。

仮に、KがIntegerだとしてみましょう。これを比較するには、Comparator<Integer>でももちろん構わないのですが、Comparator<Number>でも比較可能です。意味があるかどうかはともかく、Comparator<Object>を使うことも可能です。このような複数のジェネリック型をまとめて含むのが、Comparator<? super K>です。

非境界ワイルドカード型について、そもそも一般的に使われているのかなど、初心者にわかりやすく教えていただけないでしょうか。

作る側はともかく、使う側としてはよく遭遇するかと思います。正しく作られていれば、変に意識する必要がなく適切な型のものを渡せます。

Comments

[jaguarundi]

迅速な回答、大変ありがとうございました！
自分の知っているJavaの世界の狭さを再認識しました。

どうやら下限境界ワイルドカード型が正しいようです。
質問に不備があり申し訳ないです・・・

Answer 3

説明は回答があるのでワード的観点を。

非境界ワイルドカード型という総称

非境界ワイルドカード型は?のみで表現します。
つまりはどんな型でもOKですよという一見便利そうだけどバグを生みやすいやつです。

質問にある? super Tは下限境界ワイルドカード型といいます。
似たようなもので? extends Tという上限境界ワイルドカード型というのもあります。

ワードを混同してしまうと調べる際にうまくヒットしないので気をつけてくださいね。