perlを用いたワンライナー表記での split()の利用方法，-eと-enの違いについて

Question

疑問点

perlを用いたワンライナー表記で２点疑問があります．

①ターミナル上である圧縮されたテキストファイルをzcat/gzcatで表示したものをパイプでperlのスクリプトに渡して，
表示するという単純な表記を行ったのですが，
gzcat log.gz | perl -ne ' print("$");'では出力されるものが，
gzcat log.gz | perl -e ' print("$");'　のようにnオプションをとると表示されません．

nオプションについて検索するとwhile(<>)のように繰り返しを行うといったことが書いてあるのですが，このケースの場合必要はないような気がします．なぜ後者の表現では出力されないのでしょうか．

②ファイルの中身をsplit（）を用いて第一フィールドの値のみ表示させようとした場合，
gzcat log.gz | perl -en 'split(/ /); print("$_[0]");'
のように表記してもなにも表示されません．　split（）の使い方が間違っているのでしょうか．

以上２点の質問になります．どなたか知識のある方，回答宜しくお願い致します．

gzcat log.gzの表示結果は以下のようになります．

user@usernoPC- ~/sample> gzcat log.gz
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc
aaa aaa bbb bbb ccc ccc

Answer 1

ほとんど、前の回答者様方の補足となります。

B::Deparse を利用すると一目瞭然です。

(B::Deparseは、シンタクスをチェックしてくれるライブラリ。と同時にPerlがどう解釈するか表示してくれる。何で-MO=Deparseなのかは本筋ではないので省略)

##1.について

$ gzcat log.gz  | perl -MO=Deparse -e 'print ($_)'
print $_;
-e syntax OK
$ gzcat log.gz  | perl -MO=Deparse -ne 'print ($_)'
LINE: while (defined($_ = <ARGV>)) {
    print $_;
}
-e syntax OK

前者は(パイプの結果は無視して)未定義な$_をプリントするだけですが、後者はパイプ結果(<ARGV>)を嘗めて$_に代入してからプリントしています。したがってパイプからの情報を扱いたいのであれば-n(もしくは-p)は必須です。

##2.について

$ gzcat log.gz  | perl -MO=Deparse -en 'split(/ /); print("$_[0]");'
'???';
-e syntax OK

このワンライナーはなにもしていません。

話は単純で、-eオプションは引数を一つとり、二つ目以降は無視します(その引数はオプション直後に記載できます)。

この場合は nを引数として扱います。

$ gzcat log.gz | perl -MO=Deparse -en
'???';
-e syntax OK

Perlの関数などを代りに書いてやると理解しやすいでしょう。

$ gzcat log.gz | perl -MO=Deparse -eprint
print $_;
-e syntax OK

で、-neにしたとしても

$ gzcat log.gz | perl -MO=Deparse -ne 'split(/ /); print("$_[0]");'
LINE: while (defined($_ = <ARGV>)) {
    split(/ /, $_, 0);
    print "$_[0]";
}
-e syntax OK

2行目のsplitの結果が宙に浮いています。代入されていません。

って視覚化しただけですが、前の回答者様方の指摘が理解しやすくなるかと思います。

##ひとこと

挙動が変だな？と思ったら、ワンライナーだろうとスクリプトだろうと、-MO=Deparseを付けて実行してみる事をお勧めします。

Answer 2

nオプションについて検索するとwhile(<>)のように繰り返しを行うといったことが書いてあるのですが，このケースの場合必要はないような気がします．

-nや-pを使わないと、指定ファイルからのデータ取り込みをperlはやってくれません。awkやsedとは違います。したがって当然、何も出力されないということになります。

perl -ne honya は、perl -e 'while(<>){honya}'とほぼ同じです。

gzcat log.gz | perl -en 'split(/ /); print("$_[0]");'のように表記してもなにも表示されません．

第1に、オプションスイッチの使い方がおかしいです。-eの直後にスクリプトの文字列が来るようにしないとダメです。第2にsplitした結果を代入していないので、$_[0]は空のままです。

最低でも、gzcat log.gz | perl -ne '@_=split(/ /); print("$_[0]");'という書き方に思い至らなければなりません。さらにいえば、awkっぽくフィールドの分解をしてくれるオプションがあるので、同じことをgzcat log.gz | perl -ane 'print "$F[0]";'で実現できます。

web上の個人ブログとかqiitaとかには結構間違いがあったり説明不足があったりするので、注意して使ってください。下手に検索するより最初からhttp://perldoc.jp/を見に行ったほうが確実です。上記の説明はトップページからperlrun.podに進めば見つかります。

Answer 3

perl -neとperl -eの違い

①の方ですが、「while(<>)のように繰り返しを行う」というのはこのワンライナーの場合でも必要です。というのも、$_を使っているからで、while(<>)などで一行ずつ読み込んだ文字列を$_に入れて処理（この場合はprint("$_");）を行う、というのがまさに-nの役割です。
-nをつけなければ、gzcat log.gzの結果は全部捨てられて、「$_を出力して終了する」（この場合、$_は空なので何も出力しないで終了する）というだけになります。

gzcat log.gz | perl -e 'print("$c: $_");$c++;'
gzcat log.gz | perl -ne 'print("$c: $_");$c++;'

などと実行してみると、より違いが分かるかもしれません。

splitの使い方

②の方ですが、splitの結果を@colなどの@がついた変数に代入してやる必要があります。そして、printするときも$colとして出力します。ついでに行末の改行を加えて、

gzcat log.gz | perl -ne '@col=split(/ /); print("$col[0]\n");'

でどうでしょうか。