MLPClassifierのhidden_layer_sizesなどの設定時のカンマの意味について

Question

プログラミング初心者ですが、pythonで機械学習を勉強しております。
プログラム作成時にカンマがどうして必要なのかわからない使われ方をしている部分が多々ありまして、調べてもわからず質問させていただきました。

多層ニューラルネットワーク設定時に
clf=MLPClassifier(hidden_layer_sizes=(100,)max_iter=10000,tol=0.00001,randomstate=1)
と設定していくのですが、
hidden_layer_sizesのリストの(100,)のカンマはなぜ必要なのでしょうか。

損失関数のグラフ化においても
val_loss,=plt.plot(history.history["val_loss"])
loss,=plt.plot(history.history["loss"])
と記載されている書籍があるのですが、
オブジェクト名の後に書かれているval_loss,のカンマはどのような場合に使用するカンマなのでしょうか。

ご教授いただけますと幸いです。

Answer 1

(100,)について

これはtupleという型にするためのものです。

>>> (1,2,3)
(1, 2, 3)
>>> type((1,2,3))
<class 'tuple'>
>>> (100)
100
>>> type((100))
<class 'int'>
>>> (100,)
(100,)
>>> type((100,))
<class 'tuple'>

このような挙動になります。つまりただ単に()で囲んだ場合、1要素だと演算の優先順位を指定するかっことして解釈されてしまうので、カンマを打つ仕様になっている訳です。

val_loss,=について

これはシーケンスアンパックという概念を理解していないとわからないと思います。pythonではiterableな値を右辺に、各要素に該当する変数を左辺にした代入を書くと、自動的にうまく中身を振り分けてくれます。

>>> a,b,c = [1,2,3]
>>> a
1
>>> b
2
>>> c
3

plt.plotの返り値はLine2Dオブジェクトのlistですが、今回は一本しか線を引いていないので、要素数1のリストになります。

matplotlib.pyplot.plot — Matplotlib 2.2.2 documentation

こうするとシーケンスアンパックされず不便なので、カンマを打ってシーケンスアンパックであることを示します。

>>> a = [0]
>>> a
[0]
>>> a, = [0]
>>> a
0

参考
Python: シーケンスアンパックについて - CUBE SUGAR CONTAINER

Comments

[yohehe]

hayataka様、わかりやすい説明ありがとうございます。(100,)のカンマについてやっと理解できました。シーケンスアンパックについてもいただいた参考を読んで便利な機能なので理解してこうと思います。

Answer 2

要素数1のタプルを扱っているのです。

>>> a = 42
>>> print(a, type(a))
42 <class 'int'>
>>>
>>> a = (42)
>>> print(a, type(a))
42 <class 'int'>
>>>
>>> a = (42,)
>>> print(a, type(a))
(42,) <class 'tuple'>

>>> b = (42,)
>>> print(b, type(b))
(42,) <class 'tuple'>
>>>
>>> b, = (42,)
>>> print(b, type(b))
42 <class 'int'>