TeXで、文中の引用論文名をクリックすると、自動的に参考文献のページに移動するようにしたい

Question

実現したいこと

TeXで、文中の引用論文名(省略形)をクリックすると、自動的に参考文献のページに移動するようにしたい

前提

現在論文を書いています。
論文の文章中には、引用元である論文の省略形を記載しています(例えば: Dumusque et al. (2012) 等)

参考文献の部分には、論文の正式な名前を記載しています
(例えば: [1] Dumusque, Xavier, et al. "An Earth-mass planet orbiting α Centauri B." Nature 491.7423 (2012): 207-211.)

発生している問題・エラーメッセージ

学術論文でよくあるような、文章中にある省略形の部分をクリックすると、自動的に参考文献のページに飛ぶ設定にしたいです。

%%パッケージなど設定%%
...
〇〇が△△であることがわかった(Dumusque et al. 2012)\cite{ref1}。
...
%%参考文献%%
\begin{thebibliography}{9}
\bibitem{ref1}
    Dumusque, Xavier, et al. "An Earth-mass planet orbiting α Centauri B." Nature 491.7423 (2012): 207-211
\end{thebibliography}

この状態でPDF出力すると、"(Dumusque et al. 2012)[1]"というような表記になり、[1]の部分を押さないと参考文献のページに飛びません。
今回は[1], [2]...というような数字ではなく、"Dumusque et al. 2012"の部分をクリックすれば参考文献のページに移動するようにしたいです。

該当のソースコード

\documentclass[titlepage]{jsarticle}
%%usepackage%%
\usepackage{amsmath} \usepackage{amssymb} \usepackage{url} \usepackage{autobreak}
\usepackage[dvipdfmx]{hyperref} \usepackage[dvipdfmx]{xcolor} \usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage[toc]{multitoc} \usepackage[super]{cite}
%%newcommand%%
\newcommand{\bm}[1]{{\mbox{\boldmath $#1$}}} \renewcommand{\thesection}{\arabic{section}章}
\renewcommand*{\multicolumntoc}{2} \setlength{\columnseprule}{0.5pt}
\hypersetup{
    colorlinks=true,
    linkcolor=black,
    urlcolor=blue,
}

%%%表紙%%%
%タイトル
\title{学術論文}
%名前
\author{著者}
\date{2025年5月5日}

\begin{document}
\maketitle

%%%目次%%%
\tableofcontents

%%%本文%%%
\newpage
\section{序論}
〇〇が△△であることがわかった(Dumusque et al. 2012)。

% 参考文献リスト
\newpage
\begin{thebibliography}{9}
\bibitem{ref1}
    Dumusque, Xavier, et al. "An Earth-mass planet orbiting α Centauri B." Nature 491.7423 (2012): 207-211.
\end{thebibliography}

\end{document}

聞きたいこと

上のコードをどのように変形すれば、引用論文名(省略形)をクリックすると、自動的に参考文献のページに移動するようにできるのでしょうか。

Comments

[maisumakun]

> いろいろ試してみましたが

調べたこと、試したことを明記してください。

Answer 1

BiBTeX を使うとさまざまな書式を選ぶことができます。BiBTeX を利用するためには、まず、参考文献専用のファイル（拡張子 .bib）を作ります。

@article{Dumusque2012,
  title = {An Earth-mass planet orbiting α Centauri B},
  volume = {491},
  ISSN = {1476-4687},
  url = {http://dx.doi.org/10.1038/nature11572},
  DOI = {10.1038/nature11572},
  number = {7423},
  journal = {Nature},
  publisher = {Springer Science and Business Media LLC},
  author = {Dumusque,  Xavier and Pepe,  Francesco and Lovis,  Christophe and Ségransan,  Damien and Sahlmann,  Johannes and Benz,  Willy and Bouchy,  Fran\c{c}ois and Mayor,  Michel and Queloz,  Didier and Santos,  Nuno and Udry,  Stéphane},
  year = {2012},
  month = oct,
  pages = {207–211}
}

初めてのときは途方に暮れると思いますが、下記のサイトを利用すると自動的に生成してくれます。

https://www.doi2bib.org/

TeX ファイルには、参考文献専用ファイル（から拡張子 .bib を取り除いたもの）とスタイルファイル（から拡張子 .bst を取り除いたもの）を書いておきます。

\documentclass[titlepage,uplatex,dvipdfmx]{jsarticle}
%%usepackage%%
\usepackage{amsmath}
\usepackage{amssymb}
\usepackage{url}
\usepackage{autobreak}
\usepackage{hyperref}
\usepackage{xcolor}
\usepackage{graphicx}
\usepackage[toc]{multitoc}
%% \usepackage[super]{cite}
%%newcommand%%
\newcommand{\bm}[1]{{\mbox{\boldmath $#1$}}} \renewcommand{\thesection}{\arabic{section}章}
\renewcommand*{\multicolumntoc}{2} \setlength{\columnseprule}{0.5pt}
\hypersetup{
    colorlinks=true,
    linkcolor=black,
    urlcolor=blue,
}

%%%表紙%%%
%タイトル
\title{学術論文}
%名前
\author{著者}
\date{2025年5月5日}

\begin{document}
\maketitle

%%%目次%%%
\tableofcontents

%%%本文%%%
\newpage
\section{序論}
\cite{Dumusque2012}

% 参考文献リスト
\newpage
\bibliographystyle{apalike}
\bibliography{bibsample}
\end{document}

上記では試しに apalike を選んでみましたが、TeX Live 2023 には 388 個ものスタイルファイルがインストールされているようですので、適切なもの（お好みのもの？）を探してみてください。

/usr/local/texlive/2023/texmf-dist/bibtex/bst

下記にいくつかの出力例があるようです。

https://www.cs.stir.ac.uk/~kjt/software/latex/showbst.html

タイプセットの方法は以下の通りです。

uplatex texsample
pbibtex -kanji=utf8 texsample
uplatex texsample
uplatex texsample
dvipdfmx texsample

Comments

[hotjyu65_]

詳しく教えていただき、ありがとうございました。

Answer 2

nekotailさんがバシっとbibtexを使った回答をするだろうと思って会社の昼休みに見ていましたが，帰ってきてから見てホレボレするような回答が見られて嬉しいです。

さて，こちらは邪道の小手先の方法なので，ベストアンサーはnekotailさんにお願いします。

プレアンブルでhyperrefパッケージを読み込んでいるので，次のようなhyperlink， hypertarget技が使えます。
\hyperlink{ラベル}{テキスト} と \hypertarget{ラベル}{テキスト} (同一のラベル)の組み合わせで，hyperlink→targetの向きのハイパーリンクが作成できます。 HTMLと違ってターゲットにも処理が必要です。

今回参考文献のような決まった処理ではなく，ルール無用の気まぐれでリンクをはる時に有効な方法です。

... 前略 ...
\section{序論}
〇〇が△△であることがわかった(\hyperlink{href1}{Dumusque et al. 2012})。

% 参考文献リスト
\newpage
\begin{thebibliography}{9}
\bibitem{ref1}
    \hypertarget{href1}{Dumusque, Xavier, et al. ``An Earth-mass planet orbiting α Centauri B.'' Nature 491.7423 (2012): 207-211.}
\end{thebibliography}

... 後略 ...

Comments

[hotjyu65_]

教えていただき、ありがとうございます。
このような使い方もできるというのは、初めて知りました。