Rustのライフタイムがわからない

Question

実現したいこと

メソッドの戻り値をライフタイムの制約なしの状態で受け取りたい。

発生している問題・分からないこと

後述のメソッドgについてselfと同じライフタイムにしないとエラーが出てしまいます。

エラーメッセージ

the associated type `<Self as X>::T` may not live long enough

該当のソースコード

trait X {
    type T: Y;
    fn f(&self) -> Self::T;
    fn g<'a>(&'a self) -> Box<dyn Y + 'a> {
        Box::new(self.f()) as Box<dyn Y + 'a>
    }
}
trait Y {}

struct A;

impl X for A {
    type T = A;
    fn f(&self) -> Self::T {
        A
    }
}

impl Y for A {}

試したこと・調べたこと

• teratailやGoogle等で検索した
• ソースコードを自分なりに変更した
• 知人に聞いた
• その他

上記の詳細・結果

動的ディスパッチやライフタイムに関する情報を検索しましたが見つかりませんでした。

補足

そもそもライフタイムの制約が必要になる理由がよくわかっていないので、その解説もお願いします

Answer 1

質問者がやったような self のライフタイムに合わせる方法だと self より長いライフタイムを持つことが出来ません。 質問者の意図としては self と寿命を切り離すことだと思うので誤った解決方法です。

// こういう使い方が出来ない。
fn main() {
    let _ = {
        let foo = A {};
        foo.g()
    };
}

---

ライフタイム注釈を書かない場合にも一定の規則で補われます。 デフォルトの規則でなんらかのライフタイムが設定されます。

Box<dyn Y> と書いた場合には Box<dyn Y + 'static> として推論されます。 'static は drop される状況になるまで寿命が引き延ばされる特別なライフタイムです。 しかし質問者の状況では T にはライフタイム注釈が書かれていません。 (関数 f の結果である) T と (関数 g の結果である) Box<dyn Y + 'static> は依存関係があるにも関わらず g の結果のほうが長い寿命を持ちうるというエラーが生じるわけです。

故に g の結果を self と無関係にするには T に (より緩い) 制約として 'static を付けて矛盾を解消すればよいのです。

trait X {
    type T: Y + 'static;
    fn f(&self) -> Self::T;
    fn g(&self) -> Box<dyn Y> {
        Box::new(self.f())
    }
}

Comments

[super_omega_max]

解決しました！
言われてみると参照みたいな型がYを実装することもあるなと納得しました。