Go言語のshort variable declarationの挙動が分かりません。

Question

Go言語の:=は変数宣言の短い書き方だと思っていたのですが、以下のコードのように変数errが二度:=で初期化されてるにも関わらずエラーが起きない理由を教えてください。

res, err := http.Get("http://example.com")
if err != nil {
 //
}
body, err := ioutil.ReadAll(res.Body)
if err != nil {
 //
}

Answer 1

https://golang.org/ref/spec#Short_variable_declarations

Unlike regular variable declarations, a short variable declaration may redeclare variables provided they were originally declared earlier in the same block (or the parameter lists if the block is the function body) with the same type, and at least one of the non-blank variables is new.

通常の変数宣言とは異なり、短い変数宣言では同じブロックで以前に宣言された変数(ブロックが関数本体の場合はパラメータリスト)と同じ型の変数と、空白以外の変数の、少なくとも1つを新しく追加される変数として再宣言できます。

同じ型であれば、前に宣言された変数は再宣言される事なく利用され、新しく追加された物のみが宣言されます。ですので以下は型が異なる err ですのでコンパイルエラーになります。

package main

import (
	"errors"
	"fmt"
)

func foo1() (int, error) {
	return 0, nil
}

func foo2() (int, string) {
	return 0, "foo"
}

func main() {
	v1, err := foo1()
	fmt.Println(v1, err)

	v2, err := foo2()
	fmt.Println(v2, err)
}

https://play.golang.org/p/BvO1b_mZRx

また err が再利用されているかどうかは、以下で確認出来ます。

package main

import (
	"errors"
	"fmt"
)

func foo1() (int, error) {
	return 0, nil
}

func foo2() (int, error) {
	return 0, errors.New("foo2")
}

func main() {
	v1, err := foo1()
	fmt.Println(v1, err)
	p := &err

	v2, err := foo2()
	fmt.Println(v2, err)

	fmt.Println(*p)
}

https://play.golang.org/p/_hMC3oDPn0

最初の err をポインタ p で預けておき、foo2 の呼び出し後にデリファレンスしています。新しい変数が宣言されているならば、*p は nil になりますが、仕様通り変数が再利用されています。

Comments

[12000en]

詳しい解説ありがとうございます！疑問が解消しました！

[mattn]

ちなみに余談ですが、上書きされると defer が怖い様に感じるかもしれません。
defer はその時点の引数をキャプチャするので

https://play.golang.org/p/00whwEYcy2

この様に呼び出しても、上書きされた err の値では showError は呼び出されません。なので安心して上書きされる変数を defer してもらって良いと思います。