rust-ndarrayのstride_equivalentについて

Question

strides_equivalentについて質問させていただきます。

この関数はDocumentにあるとおり、stride1とstride2がselfのstrideにequivalentかどうかを判断するメソッドだと思います。
その関数内で

&& izip!(self.slice(), strides1.slice(), strides2.slice())
                .all(|(&d, &s1, &s2)| d <= 1 || s1 as isize == s2 as isize)

長さ>1の各軸について、ストライドが等しい場合、そのストライドは等価である。
と書いてありますが、長さ1以下で場合分けする理由がわかりません。

このメソッドが使用されているのは、zip_mut_with_same_shapeなどがあります。他のものは見つけられませんでしたので、この部分でのみ利用されていると考えられます。

この中では、最初にselfとrhsのdimを比較しています(shapeメソッドはdimをスライスの参照にしたものを戻り値としています。)
そのため、dimが同じであるとわかっているならば、strideの比較のみをすればいいと主ます。なので、

&& izip!(strides1.slice(), strides2.slice())
                .all(|(&s1, &s2)| s1 as isize == s2 as isize)

で事足りると思いました。

Answer 1

strides_equivalentは、2つのBaseArrayのデーターが同じレイアウトでメモリーに格納されているかを調べるもののようです。そして、同じレイアウトならzip_mut_with_same_shapeは高速な実装を選択し、そうでない場合は低速な実装にフォールバックします。

このことから、できる限り高速な実装を使いたいから、長さ1以下の場合はストライドの違いを無視するのではないかと予想しました。ストライドは2番目以降の要素にアクセスするときに使われますので、長さ1以下の軸ではストライドが違っていても、それは使用されず、結局は同じメモリーレイアウトになります。

その予想が正しいか調べるために、GitHubの機能を以下のように使ってみました。

1. Blameでstrides_equivalentメソッドを追加したコミットを表示
2. そのコミットを含むPull Request（PR）を表示

するとこのPRレビューコメントに行きつきました。rust-ndarray/ndarray #754 review 318583231

• PRの元々の実装ではif self.strides() == rhs.strides()としていた
• そのレビューコメントで、この条件が必要以上に厳しいとの指摘があり、現在のコードが提案された
• 必要以上に厳しい理由として、長さ1以下の軸ではストライドの違いは関係ないことが説明されている（以下）

This is a little more restrictive than necessary. For axes with length <= 1, the stride doesn't matter. For example, if we have two arrays like this:

• shape: [1, 5], strides: [42, 1]
• shape: [1, 5], strides: [3, 1]

their memory layout is the same even though the strides for axis 0 are not equal (since the length of axis 0 is <= 1).

私はndarrayを使っていないので、同じshapeなのにストライドが異なるというケースがどういうときに起こるのかはわかりません。しかし、レビューコメントから、長さ1以下の軸についてはストライドの違いは無視してかまわないことが確認できました。そのために現在の実装になっています。