以下のLaTeXコードを考えます。(本件は(基本的に)LaTeX処理系に依存しないでしょう。)
\verb!B = \frac{\displaystyle\frac{a^n}{n!}}{\displaystyle\sum_{x=0}^{n}{\frac{a^x}{x!}}}!
これをOverleafでそのまま入力したところ、閉じる中括弧が多すぎるというエラーメッセージが表示されました。
これは「長すぎて無理みたいなエラー」っぽくはないのですが、いずれにせよこれは意図通りの結果が得られません。
しかしLaTeXの設定によっては、途中でエラーが出てもある程度回避してくれます。Overleafではデフォルトでその設定のようですので、一応結果を見ることができます。
前半はソースコード、後半は数式になっていますね。n
のところまではソースコードとして解釈されていることに注意します。
LaTeXのソースコードとの対応を見ると、次のように見ることができます。
latex
1\verb!B = \frac{\displaystyle\frac{a^n}{n!}}{...
2% ^
3% |
4% +- ここから先は数式扱いされている
それもそのはずです。ここでの \verb
は、 !
で囲まれたトークン列を対象としています。数式末尾の !
ではなく、一番最初に見つけた !
で範囲を終了させてしまっているのですね。
原因がわかれば後は簡単です。数式に含まれない文字で verb
の範囲を区切ればよいので、例えば $
を代わりに使ってみましょう。もちろん |
でもよいです。
\verb$B = \frac{\displaystyle\frac{a^n}{n!}}{\displaystyle\sum_{x=0}^{n}{\frac{a^x}{x!}}}$
コンパイルすると、意図通りの結果を得ることができました。
なお、 verb
制御綴は「呪われた命令」とも呼ばれ、基本的に使用は避けたほうがいいです。直ちには最善の回避策を思い付かないのですが、こちらについてはお手隙に調査されることをお勧めします。
本課題についてOverleafプロジェクトを用意しました。ご参考まで。