JavaFXは独自のGUIフレームワークと言う訳ではなく、おおむねJava標準のもの、と捉えることができますが、デスクトップのGUI部分、乱暴な言い方をすると言わば上物(うわもの)の部分です。WEBサービスでのJavaサーブレットのような、サーバーサイドで使われる印象のせいか、デスクトップアプリで利用するJavaFXに関しては書籍として刊行されることも少ないように思います。
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実際、例えばamazonの本の部で「JavaFX」で検索すると、ヒットする本の件数は少ないです。また刊行日も古く、Java SE7や8の時代のものです。
JavaFX は2018年9月にリリースされたJava SE11からJavaの開発環境であるJDKに同梱されなくなりました。モジュールとして別にインストール、設定して初めて使えるようになる仕様です。その意味でも、お使いになるJavaのバージョンによっては現状で無条件にお勧めできるようなJavaFXの本は無いと考えます。
先の文で「JavaFXは上物(うわもの)だ」と書きましたが、このような位置付けのものはすぐに情報が陳腐化します。既にJavaや他のプログラミング言語を経験していて、JavaFXを使う必要が出た場合、大抵のプログラマーは恐らく公式の最新の一次情報JavaFXをあたったり、二次情報であることを理解した上で、JavaFXに関連するWEBの記事を検索して情報を集めます。
JavaもJavaFXも、あるいはもしかしたらプログラミング自体も初心であるとなかなか敷居は高くなりますが、そういった場合は多少古くなることを覚悟の上で、Javaのインストールや環境設定も含めたJavaFXの書籍を読み進めてみることも良いと思います。簡単に分かるようにまとまった情報は、初心の方には心強いものです。ただしその際はJavaやOSのバージョンにくれぐれも気を付けてください。今年2021年時点の情報との差分を気を付ければ、JavaFXのフレームワーク自体の基本の使い方については共通することも多いので、必ずしも無駄にはならないと思います。まぁ、その差分自体を見極めるのが初心の方にはまた難しいのだと思いますが。
書籍自体は本屋さんの店頭で実際に試し読みしてみましょう。レビューはあくまで参考です。自分に合った本とは限りません。高評価の本であっても、中には悪い評価を下すレビュアーもいるでしょうし、少なくともその人には合っていなかったということです。近くの公営の図書館などにも当たってみましょう。古いものであれば意外と図書館に所蔵されていることもあります。