引数について
参照されているサイトの例で \scalebox{<width-scale>}[<height-scale>]{<target>} が登場しています.
scalebox制御綴に対して3つの引数{...}, [...], {...}が与えられている形です.
このうち,
[...]はLaTeXにおいて慣習的にオプション引数として扱われることが多いです.
(したがって\scalebox{...}{...}のように,オプション引数を省くことは許容されます.)
- 一方で
{...}は(よほどのことがない限り)必須の引数として扱われます.
一方で,質問文のコードでは\scalebox{...}となっています.
以上から,2つ目の必須の引数が与えられていないため,エラーが生じているのではないかと推測されます.
公式文書しか勝たん
なお,scaleboxがどのような引数を取るのかを,一次情報で調べる方法の一例は以下です:
- 私は手元にLaTeXの書籍を所持していますので,
scaleboxで索引を見ます.
- 本文中の記述からこの制御綴の使用時の形式が出てきます.今回の場合は
\scalebox{...}[...]{...}ですね.
- 他に,この制御綴は
graphicx パッケージにより提供されている旨の記述を見付けます.
- TeX Live が十全にインストールされている場合,
$ texdoc -l graphicxにてgraphicxパッケージのドキュメント一覧を表示することができます(末尾に掲載).
- 1つ目の項目が "Bundle documentation" でそれらしいので,こちらを開きます.
- 2020-08-21刊行では8ページ目に
scaleboxの使い方が載っています.
ただし,scaleboxがgraphicxにより提供されるものという事前知識があれば,手順4から調べることができます.
LaTeXではある制御綴をどう使えばよいのかについて,どこでどう確かめればよいのか不明であることが多々あります.しかしこれらの制御綴は(処理系に組込まれている基本的なものでない限り)何らかのパッケージまたはドキュメントクラスにより提供されています.そして,それらのドキュメントに記載されている使用例を参照すれば確認できるという寸法です.
LaTeXのパッケージはその性質上ドキュメントがPDFとして配布されることが多いです.そのためインストールされたTeX Liveの容量のうち,無視できない割合がドキュメントとして存在します.これらはパッケージの製作者・グループにより執筆されており,正確且つ信頼性の高い情報源です.ぜひ御活用ください.
shell
1$ texdoc -l graphicx
2 1 /usr/local/texlive/2020/texmf-dist/doc/latex/graphics/grfguide.pdf
3 = Bundle documentation
4 2 /usr/local/texlive/2020/texmf-dist/doc/latex-dev/graphics/grfguide.pdf
5 = Bundle documentation
6 3 /usr/local/texlive/2020/texmf-dist/doc/latex/graphics/graphicx.pdf
7 4 /usr/local/texlive/2020/texmf-dist/doc/latex/graphicx-psmin/graphicx-psmin.pdf
8 = Package documentation
9 5 /usr/local/texlive/2020/texmf-dist/doc/latex-dev/graphics/graphicx.pdf
10 6 /usr/local/texlive/2020/texmf-dist/doc/latex/graphicx-psmin/README
11 = Package README
12Enter number of file to view, RET to view 1, anything else to skip:
2020/12/29 14:12