VS2019 C++ std::strcasestr(char*, char*) はなぜ無いの？

Question

VS2019 C++ には、SSE命令を使用した strstr(char*, char*) が用意されていますが、
英字大文字小文字を同一視する strcasestr(char*, char*) が用意されていません。

これはなぜでしょうか？
英字大文字小文字を同一視するSSE命令が無いのでしょうか？
ある論文にはそのような命令も用意されていると書いてあったのですが、それは間違いなのでしょうか？
それともなにかの理由があるのでしょうか？

ご教授のほど、よろしくおねがいします。

Comments

[maisumakun]

・VS2019 C++ には、SSE命令を使用した strstr(char*, char*) が用意されていますが
・ある論文にはそのような命令も用意されている

それぞれどこの情報でしょうか？

[NobuhideTsuda]

・VS2019 で単に strstr() を使うと、SSE命令を使用した版が利用されます。
・論文は以下からDL可能です
「高機能アセンブラによる x86/x64 CPU 向け高速化テクニック」
https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_action_common_download&item_id=95402&item_no=1&attribute_id=1&file_no=1

Answer 1

それともなにかの理由があるのでしょうか？

はい、strcasestrの動作は、ロケールに依存します。たとえばトルコ語では、Iの小文字はiではなくıであり、iに対応する大文字のİが別に存在します（UTF-8で表現すればバイト数すら変わってしまいます）。

機械的にif (’A’ <= c && c <= ’Z’) { c += ’a’-’A’; }とやっては正しい結果が得られません。

Comments

[maisumakun]

バイト数すら違っても一致しうる文字列の比較に、SSEで「何バイトも一気に見る」としても、大きな効果は見込めません。

[maisumakun]

grepでも同様の問題があって、「UTF-8での大文字小文字無視の場合には、正規表現に置き換えて検索する」ような手段をとっている、とのことです。

https://hamukazu.com/2014/02/24/why-grep-can-be-accelerated/

[NobuhideTsuda]

なるほどー、そういう理由があったんですね。