C++で計算式から計算するコンパイル時定数配列

Question

C++ 言語で、添え字から計算される値を要素とするN(コンパイル時定数)元配列をコンパイル時定数として定義するにはどうすれば良いですか？

例えば、添え字 i に対して、位置iの要素は、i(i+1)/2 という計算式で与えられるint型の値としたいとき、N=10に対して手計算で

constexpr int array[] = {0, 1, 3, 6, 10, 15, 21, 28, 36, 45, 55};

と書くのは煩わしいので、右辺を添え字から計算式で表したいのですが、それはどのようにしたらできますか。

Comments

[ohys]

なぜconstexprにこだわるのか？
constexprが無ければ自力でできるのですか？

[tails]

ただなんとなく、ふと今のC++20の言語仕様的にできるのかな？と気になっただけです。
コンパイル時定数でなければできますので…

Answer 1

もしも C++20 を前提に出来るなら constexpr に関する要件はかなり緩められているので難しいことは何もありません。 配列に代入して返すだけです。

#include <iostream>
#include <array>

template<std::size_t N>
constexpr std::array<int, N> make_array(void) {
  std::array<int, N> r;
  for(std::size_t i=0; i<N; i++) r[i] = i*(i+1)/2;
  return r;
}

int main(void) {
  constexpr auto array = make_array<10>();
  for(int a: array) std::cout << a << std::endl;
}

C++11 だと仮定すると SFINAE を活用したメタプログラミングが必要になります。

#include <iostream>
#include <array>

template<int N>
class array_builder {
  template<int M, int i>
  struct helper {
    template<class... T>
    constexpr static std::array<int, N> invoke(T... args) {
      return helper<N, i+1>::invoke(args..., i*(i+1)/2);
    }
  };

  template<int M>
  struct helper<M, M> {
    template<class... T>
    constexpr static std::array<int, N> invoke(T... args) {
      return std::array<int, N>{args...};
    }
  };

public:
  constexpr static std::array<int, N> value = helper<N, 0>::invoke();
};

int main(void) {
  constexpr auto array = array_builder<10>::value;
  for(int a: array) std::cout << a << std::endl;
}

難解な仕組みなので必要な知識を全てここで説明することはできません。 SFINAE をキーワードにして資料を探してみてください。

その上で不明なことがあるようならあらためて個別の質問をしてください。

Comments

[tails]

ご回答ありがとうございます。
今回は、std::array ではなく、プリミティブな配列型でそれが可能な文法が存在するのかどうか、という質問でした。
SFINAE でご回答いただきありがとうございます。
気が向いたらまた調べてみたいと思います。

プリミティブな配列型 T[] では、可能でしょうか。
つまり、そのような要求を満たす仕様が、最新のC++には自分がしらないだけで実はあるのでは！？と期待してました。

[SaitoAtsushi]

C/C++ における配列は第一級オブジェクトではありません。 これについての不満に対する解として `std::array` が導入されました。 なので、あくまでも配列でやりたいというのはおそらく無理です。

ものすごいアクロバティックなことをすれば出来る可能性はあるのかもしれませんが、少なくとも私の知識の範囲では出来ないですね。

[tails]

なるほど、わかりました。
ありがとうございました！

Answer 2

マクロを使うことにします。
2 のべき乗なら簡単。そうでない場合は、2のべき乗の和と考えます。
11 = 8 + 2 + 1 です。

#include <iostream>

#define T4(x) T3(x),T3(x+8)
#define T3(x) T2(x),T2(x+4)
#define T2(x) T1(x),T1(x+2)
#define T1(x) T0(x),T0(x+1)
#define T0(x) ((x)*((x)+1)/2)

constexpr int array16[] = { T4(0) };
constexpr int array11[] = { T3(0), T1(8), T0(10) };

int main()
{
	for (int e : array16) std::cout << ' ' << e;
	std::cout < '\n';
	for (int e : array11) std::cout << ' ' << e;
	std::endl(std::cout);
}

実行結果

 0 1 3 6 10 15 21 28 36 45 55 66 78 91 105 120
 0 1 3 6 10 15 21 28 36 45 55

Comments

[tails]

これはちょっと面白いですね（笑）
実用的かどうかは分かりませんが、ネタとして知ってても面白いなと思いました！
ありがとうございます。