PyO3のacquire_gilの制限について

Question

acquire_gilを用いて何度もpyを取得しても問題ないのか？

PyO3でPythonのオブジェクトの型を用いる時はpyを生成する必要があります。
今のところ、このpyを生成する方法は下記の２通りが用いられます。

fn example1() -> PyObject {
    let gil = Python::acquire_gil();
    let py = gil.python();
    // codes
}

#[pyfunction]
fn example2(py: Python) -> PyObject {
    // codes
}

上記ともPythonのGILを取得しますので一回のみacquire_gil()を行うと考えられます。
そうであるならば下記のコードは想定外の使用法と考えられるのでしょうか？

fn example1() -> PyObject {
    let gil = Python::acquire_gil();
    let py = gil.python();
    // codes
}

#[pyfunction]
fn example2(py: Python) -> PyObject {
    example1();
    // codes
}

example2()でpyを取得し、さらにexample1()でもう一回取得しているように見えます。PyO3のコードを読む限りGILを取得したら何度もpyを取得しても問題なさそうと思いました。しかし技量が足らず不十分なままです。
何かわかる方は回答の方をよろしくお願いします。

Answer 1

何度も取得しても特に問題ありませんが、若干オーバーヘッドになるので可能な限り減らしてください。オススメのパターンはこんな感じです。

fn example1(py: Python) -> PyObject {
    // codes
}

#[pyfunction]
fn example2(py: Python) -> PyObject {
    example1(py);
    // codes
}

ただし、例外的に

#[pyfunction]
fn example2(py: Python) -> PyObject {
    {
        let gil = Python::acquire_gil();
        let dict = pyo3::types::PyDict::new(py);
    }
}

のように'gilを取得した後で古いpyを使ってオブジェクトを生成する'パターンは参照カウントが0になるバグがありますので、やめてください（今後修正される予定ですが、どうなるのかまだわかりません）。