kivy：ドラッグ&ドロップでファイルパスを表示

Question

kivyを使って、ドラッグ&ドロップしたファイルをLabelで表示させたい

下の様なプログラムを作ったのですが、pythonからkv言語のidを参照するとMyRoot().ids["lbl"].textの行にエラーがでます。
Printの方ではパスが表示されています。
初心者質問で申し訳ないですが、idの使い方について何が問題なのか教えていただけますでしょうか。

発生している問題・エラーメッセージ

   MyRoot().ids["lbl"].text = file_path
KeyError: "lbl"

該当のソースコード

from kivy.app import App
from kivy.uix.label import Label
from kivy.uix.boxlayout import BoxLayout
from kivy.core.window import Window


class MyRoot(BoxLayout):
    pass

class TestApp(App):
    def build(self):
        Window.bind(on_dropfile=self._on_file_drop)
        return

    def _on_file_drop(self, window, file_path):
        print(file_path.decode("UTF-8"))
        MyRoot().ids["lbl"].text = file_path
        return

TestApp().run()

MyRoot:
    Label:
        id:lbl
        text:"File path is:"

補足情報（FW/ツールのバージョンなど）

使用しているのは
Python 3.7.7
Kivy 1.11.1
です。

Answer 1

build()で明示的に生成しなかった場合、
アプリケーションの root 属性で MyRootのインスタンスにアクセスできます。

class TestApp(App):
    def build(self):
        Window.bind(on_dropfile=self._on_file_drop)
        return

    def _on_file_drop(self, window, file_path):
        self.root.ids["lbl"].text = "File path is: " + file_path.decode("utf-8")

但し、これでは "File path is: " を KVファイルと同じ内容を２度書くことになるので、
_on_file_dropでは直接ラベルを参照せずに、
StringPropertyを用いてプロパティ変更で通知する方が良いです。

from kivy.app import App
from kivy.uix.boxlayout import BoxLayout
from kivy.core.window import Window
from kivy.properties import StringProperty


class MyRoot(BoxLayout):
    file_path = StringProperty("")

class TestApp(App):
    def build(self):
        Window.bind(on_dropfile=self._on_file_drop)

    def _on_file_drop(self, window, file_path):
        self.root.file_path = file_path.decode("utf-8")

TestApp().run()

MyRootにプロパティを持たせることにします。
Labelから見ると親要素のプロパティなので、parentを参照する。(追記 root.file_pathでも良い)

MyRoot:
    Label:
        id: lbl
        text:"File path is: " + self.parent.file_path

---

追記: エラーの原因

# _on_file_drop 内で MyRoot() を生成していますが、

        MyRoot().ids["lbl"].text = file_path

# ここで生成されるクラスは、以下の空の MyRoot クラスで、
# ラベル等の情報を持ちません。

class MyRoot(BoxLayout):
    pass

# build() が何も返さなかった場合、kivy は kvファイルからウィジェットを生成し
# root属性に設定します。

Comments

[teamikl]

後から気が付きました、私の手元の環境は kivy 2.0.0rcでした。
動作確認はしましたが、バージョン間の違いはあるかもしれません。

[Totto2064]

回答いただきありがとうございます。
追加で質問なのですが、pythonの_on_file_dropの中で記述しているself.root.filepathについて、selfとrootはそれぞれTestAppとMyRootを参照していると考えていいのでしょうか。
理解が浅く申し訳ないですがよろしお願いします。

[teamikl]

self は、Pythonのクラス共通の事項で、慣習的に self という名前ですが、
メソッドの引数の１番目に自分自身（インスタンス）が入ります。

TestApp 内の self は、そのクラスのインスタンスなので、その通りですが、
kv ファイルの Label 内の self は、Labelのインスタンスになる点は注意です。

＞TestAppとMyRootを参照している
厳密には、それぞれ TestAppとMyRoot の「インスタンス」を指していると言えます。
ここで "TestApp" という場合はクラス自体を指す事になるので、インスタンスとは区別されます。

ここまで説明で「インスタンス」という用語を多用してしまいましたが、
このクラスとインスタンスの違いの理解が重要なポイントです。
「クラス(型)」「インスタンス(実際の値)」とイメージすると解りやすいかもしれません。

root は、アプリケーションのインスタンスに対し kivy が自動的に設定する属性です。
.kv ファイル側でも同様に、`self`, `root`, `app` が参照できます。

[Totto2064]

なるほど。大変勉強になります。
実際にうまく動作しました。
ありがとうございます！