Javaのストリームなどで子クラスのオブジェクトをcloseすると親クラスのオブジェクトも自動的にcloseするという仕組みについて

Question

前提

JavaのStreamやReaderのソースコードで子クラスのオブジェクトを以下のようにclose()すれば親クラスの方も自動的にclose()するという仕組みがあります。

ソースコード1

BufferedReader in = null; 
try {
　　　　in = new BufferedReader(new FileReader("abc.txt"));
} finally {
//BufferedReaderを閉じればFileReaderも自動的に閉じる。
    if (in != null){in.close();}
}

質問

こういうのを見ていて思ったのですが、『親クラスと子クラスを別々に定義して、かつ親クラスはオブジェクト生成に成功、子クラスで例外が出て失敗』というようなケースでは親クラスのオブジェクトもcloseしなければならないのではないでしょうか？

例えば以下のようなケースです。

ソースコード2

FileReader parent = null;
BufferedReader in = null; 
try {
       parent = new FileReader("abc.txt");
　　　　in = new BufferedReader(parent);
} finally {
//これじゃ足りないのではないか。
    if (in != null){in.close();}
}

これだとFileReaderのオブジェクトが開放されずにメモリリークが起こる可能性があるのではないかと考えています。
この問題意識は正しいでしょうか？

Answer 1

まず, in = new BufferedReader(new FileReader("abc.txt")); という記述は

親クラスと子クラス

という関係ではありませんのでご注意を.

---

FileReader の後に BufferedReader を生成していますので, BufferedReader の生成に失敗した場合 FileReader の close が必要なのではないか, とのご指摘は, その通りだと思います.
ですが, 完璧を期そうとすると finally 内に close のために幾重も if 文が重なることになり, 記述方法に因っては, 例えばサンプル程度のコードでも大半が close の部分だったりと成りえます.
ですので, 生成は成功する前提で, アクセス中に異常があっても close は行うというカタチにしているのではないでしょうか.

とは言え, もちろん仕事としてこのような箇所があった場合は, どんなに巨大な見難い finally でも必要なら書かざるを得ません.
そのような状況からか, 最近は try が拡張され,

try(FileReader parent = new FileReader("abc.txt");
　　BufferedReader in = new BufferedReader(parent);){
}

といった書き方で, try(){} を抜けた場合に各ストリーム(正確には AutoCloseableオブジェクト) が close されるようになりました.

try-with-resources文の基本

それでも

try(BufferedReader in = new BufferedReader(new FileReader("abc.txt"));){
}

としてしまうとやはり FileReader は close されませんので, 分けて書くようにしましょう... ということになっているようです.