カプセル化におけるデータ隠蔽について

Question

オブジェクト指向について学習中です。

オブジェクト指向プログラミングのキーワードとしてカプセル化、およびデータ隠蔽が挙げられます。

しかし、入門的な小規模のプログラムしか書いたことがない私にとっては、いまいちこのデータ隠蔽の重要性がイメージ出来ません。クラスのメンバ変数を他の人が書き換えようとする状況がどんな理由で起きるのかがいまいちピンと来ないです。。。

具体的な例を持ってデータ隠蔽の有り難みを教えていただけませんでしょうか。

Comments

[coco_bauer]

分散システム（ネットワークでつながった複数の計算機で構成されるシステム）が複数のユーザに使われる状況なら「他の人」という概念が入ってくると思いますが、オブジェクト指向という概念とは別世界ではないでしょうか。

Answer 1

クラスのメンバ変数を他の人が書き換えようとする状況がどんな理由で起きるのか

未来の自分を含めて、他人はコードを書いたときの暗黙の前提を共有していませんので、作者からすれば想定外の使い方をやってしまうことも可能です。

…では足りませんか？

Answer 2

こんにちは。

具体的な例を持ってデータ隠蔽の有り難みを教えていただけませんでしょうか。

例えば、姓と名の間を半角スペースで必ず区切って名前文字列とします。
そして、名前文字列を非常に頻繁に使うので、内部にデータとして保持します。
setName(姓, 名)のようなメソッドを使って、内部の「名前」変数に半角スペースで区切って設定します。

このような時、オブジェクト指向的には、「名前」変数はprivateとし、getName()のようなメソッドで返すようにするのが一般的です。そうしておけば、次のようなシナリオは発生しません。

もし、「名前」変数をpublicで定義したとします。数年後の自分、もしくは、ちょっと早とちりな他のプログラマは、手元に名前文字列があったから、それを直接「名前」変数に設定するかも知れません。
その名前が、ちゃんと半角スペースで区切られていればよいのですが、もしかすると全角スペースで区切られていることもあると思います。

すると、「名前」を頻繁にアクセスしている処理が想定していないため、それは誤動作するでしょう。意外に目立たず、こっそりその人が検索に引っかからないような不具合になるかも知れません。もし、それが給与の手当を加算するプログラムだったら、こっそり手当が少なくなる人が出てくるかも知れませんね。それがもし私だったら本当に嫌です。maskeyさんも嫌でしょう。

そのような不具合を完全に０にすることは不可能ですが、データの隠蔽により、その発生確率を確実に減らすことができ、不幸になる人が減ります。データの隠蔽はかなり有効な手段の一つです。

Answer 3

「クラスのメンバ変数を他の人が書き換えようとする状況」ということ普通によくあることですよ。例えば、C言語で次のような構造体を考えれば、外部からアクセスすることが想像できると思います。

struct Point2D
{
int x, y;
}

もっとも、「クラスのメンバ変数を他の人が書き換えようとする状況」が容易に想定できないならば、なおさらデータ隠ぺいが望ましいです。「他の人に不必要なデータを公にしない」ことでシンプルかつセキュアな外面を作ることが目的です。