Scalaのカリー化ってdefでも良くないですか？

Question

Scalaで以下のカリー化のサンプルを作成しました。
関数の分解ができるということでとてもいいなーと思い今後使っていきたいですが、
疑問があります。

MyAppオブジェクトのメンバーとして３つ変数(関数オブジェクト)を作成していますが、
これ変数でなくても普通に動作しました。(val➞def)

何が違うんでしょうか。
オブジェクトを使いまわすということでメモリの節約的なやつでしょうか。ご教授願います。

object MyApp {
    //このvalってdefでもいけるくない?
    val multFuncCurried = (a: Int) => (b: Int) => a * b
    val double = multFuncCurried(2)
    val tripple = multFuncCurried(3)
    def main(args: Array[String]): Unit = {
        println(double(2))
        println(tripple(3))
    }
}

Answer 1

valとdefの違いですが、以前あった質問の時に調べたことによると、

• val … 関数を定義
• def … メソッドを定義

と言うことらしいです。では、関数とメソッドの違いは何かというと、

• 関数 … 値型(Value Types) 変数に代入にしたりオブジェクトとして扱える。
• メソッド … 非値型(Non-Value Types) そのまま変数に代入できず、直接オブジェクトとして扱えない。

ただし、メソッドは名前 _とすることでいつでも関数に変換できます。

以上を踏まえて、考えます。

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defに変えてみると言うことですが、このようにすると言うことであってますでしょうか？

def multFuncCurried = (a: Int) => (b: Int) => a * b

このメソッドは、引数無しで"Int => Int => Int"な関数を返すメソッドになります。単に、固定の関数を返すだけのメソッドです。カリー化したメソッドではありません。なので、全く無駄というか、valと動作が変わらないのは当たり前のことです。メソッド自体をカリー化する場合はこのように書きます。

def multFuncCurried(a: Int)(b: Int) = a * b

しかし、こうするとカリー化するところがうまく動かなくなります。なぜなら、カリー化されたメソッドを一つ適用したものもまたメソッドであり、メソッドはそのままでは代入できません。なので、こう書き換える必要があります。

def multFuncCurried(a: Int)(b: Int) = a * b
val double = multFuncCurried(2) _
val tripple = multFuncCurried(3) _

では、どれがいいと言われると微妙というかなんとも言えないです。Scalaはカリー化しなくても部分適用が可能なので、無理にカリー化する必要は無いんじゃ無いかなと思っています。初めから何でもカリー化しているHaskellとかだと何も考えなくて良いので、楽なんでしょうけど。