Navigator.getUserMedia()
の第一引数は MediaStreamConstraints
というオブジェクト であり、 video
及び audio
について どのような制約を満たす MediaStream
を返せばよいか をブラウザに指定する引数です。ここで video
キーに true
を与えた場合、これは単に 何らかのビデオソースを提供せよ という指示になるため、現状では 単にシステムのデフォルトとなっている PC 本体内蔵のカメラ が制約を満たす MediaStream
として返されている物と思われます。
従って、もし USB 接続のカメラの方を使用したいなら、 true
ではなく、何か 明示的にそのデバイスを指定する制約を指定 する必要があります。この場合は、 video
キーに MediaTrackConstraints
というオブジェクト を指定すればよいのですが、見て分かる通り、かなり細かな条件を指定することが出来るようになっており、例えば width
/ height
キーで解像度を指定したり、 frameRate
でフレームレートを指定したりすることが可能です。もしかすると、これらをうまく使って指定することも可能かもしれませんが、今回は 明示的にあるデバイスを指定したい ということですから、 存在するカメラデバイスを列挙し、その ID を制約として deviceId
キーに渡す のが適切でしょう。
利用可能なビデオデバイスの列挙
さて、ではデバイスをどのように列挙するかというと、単純に MediaDevices.enumerateDevices()
というメソッド が用意されているので、これを使えば良い だけです。このメソッドの使い方は MDN の方が分かりやすい と思うので、こちらを御参照頂くと良いのですが、次のようにして Promise
式のチェインを書けば存在するデバイスの列挙が可能です。
javascript
1navigator.mediaDevices.enumerateDevices().then(
2 devices => devices.filter(e => e.kind == 'videoinput').forEach(
3 e => console.log(
4 'deviceId == ' + e.deviceId + '\n' +
5 'groupId == ' + e.groupId + '\n' +
6 'label == ' + e.label + '\n\n'
7 )
8 )
9).catch(
10 error => console.log('Failed', error)
11);
尚、ここで label
キーにはデバイス名が取得可能なので、それを <select>
要素などにして選ばせるのが一番良いのですが、残念ながらユーザの プライバシーを保護するため、ビデオデバイスへのアクセスが許可された後でしか label
は取得できない 仕様となっているので注意してください。このため、もしデバイスの選択を実装をなさりたいのであれば、 「取り敢えずは "ビデオ1" "ビデオ 2" という名前を付けておいてユーザに選択させる」「取り敢えずはデフォルトのビデオデバイスを表示させてから (== ビデオデバイスへのアクセス許可を得てから) 列挙する」 といったひと手間が必要となります。
得られたビデオデバイスへの接続
後は、得られた deviceId
を使用して getUserMedia()
を呼び出せば良いはずです。ただし、 Vendor prefix 付きの Navigator.webkitGetUesrMedia()
はおろか、 Navigator.getUserMedia()
自体が 既に非推奨の API となっています から、 より新しい MediaDevices.getUserMedia()
の方 を使う事を推奨します。こちらはインタフェースが enumerateDevices()
同様の Promise
チェインに統一されており、コードの見通しも良くなると思います。さらに言えば、 URL.createObjectURL()
も 非推奨であり、もう使う必要がありません から、そこも変えておいた方が良いです。
とはいえ、特に書き方が大幅に変わるわけではなく、次のようなコードで選択したビデオデバイスを指定して接続することが出来るはずです。
javascript
1const myDeviceId = 'xxx....';
2
3navigator.mediaDevices.getUserMedia(
4 {video: {devideId: myDeviceId}, audio: false}
5).then(
6 stream => {
7 const video = document.getElementById('video');
8
9 video.style.display = 'block';
10 video.srcObject = stream;
11 video.play();
12 }
13).catch(
14 error => alert('カメラへの接続に失敗しました: ' + error)
15);