「エラーが発生した場合に何らかの処理を実行させたい」というとき、主に次の2つの方法があります。
① 単一アクションに対する「エラー発生時」の設定
② 複数アクションをまたいだ、「ブロック エラー発生時」の設定(アクション:「フローコントロール → ブロック エラー発生時」)
①は、「ファイルの移動」や「Excelワークシートから読み取る」など、1つのアクションの実行中にエラーが発生した場合のトラップ処理を設定するものです。
②が、複数の異なるアクションの実行中のどこかで、何らかのエラーが発生した場合のトラップ処理を設定するものです。(たとえば画像のループ中など)
言葉だとわかりにくいと思いますので、以下画像を交えたサンプルで説明します。
また、①と②を比べると、今回の件でより使えそうなのは ② ですので、②から説明します。
アクション:「フローコントロール → ブロック エラー発生時」
事例
たとえば、ループ内の「アクティブなExcelワークシートの設定」アクションの実行中、「該当するシート名(Sheet1)がファイルの中にない」というエラーで止まってしまうことがあると仮定します。
また、他のアクションでも何らかの理由により、続行できないエラーが発生することがあると仮定します。
この場合の処理として、エラーが発生したときに読み取り処理中だったファイルを「エラーファイル」というフォルダに移動し、次のファイルの読み取りを続行させたい、とします。
1. エラー時のトラップ処理用サブフローの作成
エラー処理のサブフローを作成します。(メイン処理はあらかじめ作成済みと仮定します)
1-1.サブフロー作成
Power Automate 上部のフロータブから、左端の「サブフロー」ボタンをクリックし、ドロップダウンから「+新しいサブフロー」をクリックします。
1-2.エラー処理の追加
ここで、作ろうとしているエラー処理は
- エラーの起こったファイル=シート名が見つからなかったファイルを、エラーファイルフォルダに移動したい、
というものと仮定します。
したがって、次のような処理をフローから選択します。
【Excel → Excelを閉じる】
変数 Excel インスタンス
は、エラーの起こったファイルのインスタンスである %ExcelInstance2%
を指定します。
次に、エラーを起こしたファイルを移動させるアクションを追加します。
【ファイル → ファイルの移動】
- 移動するファイル:%CurrentItem%
- 宛先フォルダ:エラーファイルの移動先を指定
- 生成された変数:不要なのでスイッチをオフにします(そのままでも構いません)
1-2.と1-3.の操作の結果、処理概要は下の図のようになっているはずです。
このサブフローの名前を「Subflow_1」としておきましょう。
2.メインフローへの、エラーブロックの設定
2-1.ブロックの設置
次に、上部タブの「Main」をクリックして、メインフローを表示させます。
左上の「アクションの検索」テキストボックスに「ブロック」と入力すると、いくつかアクションが表示されます。
そのうち「ブロックエラー発生時」というアクションを、For eachループの2つ下(「アクティブなExcelワークシートの設定」)の直前にドラッグ&ドロップします。
2-2. ブロックの詳細設定
ドロップすると、ブロックの設定ダイアログが表示されます。
-
名前欄には、適当な名前を入力します。(注意:半角英数字しか入力できません)
-
真ん中右の「+ 新しいルール」をクリックして、ドロップダウンから、「サブフローの実行」を選択します。
-
さらに「サブフローの実行」コンボボックスから、1で設定したエラー処理用のサブフロー(Subflow_1)を選択します。
-
その下のオプションでは左の「フロー実行を続行する」を選択します。
-
例外処理モード:「ブロックの末尾に移動」を選択します。
詳細設定後の状態
2-3. ブロック終端の移動
「フローコントロール → ブロック エラー発生時」の「End」ラベルを、ループ最後のEndラベルの直前までドラッグします。
移動後。
これによって、”ブロック エラー発生時”ブロックで囲まれたアクション中にエラーが発生した場合、処理中のファイルが「エラーファイル」フォルダに移動され、ループの最初に戻って次のファイルが読み込まれることになります。
参考:単一アクションに対するエラートラップ設定
アクションを開き、左下の「エラー発生時」ボタンをクリックすると、同様にエラー発生時のサブフローを設定可能です。
ただしこの場合は、そのアクションでエラーが発生した場合のみ有効です。
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