建物AおよびBで、2つのネットワークを通したいが、
- 建物A〜B間の物理回線は1本で増設はできない(2つのネットワークの通信を重畳させる必要有)
- 各ネットワークで、建物A・Bは同じセグメントにしたい(建物A・BのPCが同じLANにいるイメージ)
- お互いのNWが疎通できてはダメ
という条件があるということですね。ちなみに現状、A'ネットワークは建物A〜B間をルーターやL3スイッチを経由せず、直接自前の光ファイバーやLANケーブルでL2接続されているという認識で合っていますか?
セグメントを分ける必要がないほど小規模で、かつ(ここに相談しているということは)専門知識を持ったネットワークエンジニアがおらず自前で設計・構築することを想定すると、VLANで2つのネットワークを束ねるのがお手軽で良いかと思います。
インテリジェントL2スイッチを2台導入し、建物A〜B間をつなぐポートは trunk ポートとし、各建物の既存のネットワークα・βにつなぐポートは access ポートとし、ネットワークごとに異なる VLAN ID を割り当てます。VLANによって通信を完全に分けているため、他のポート(=NW)と疎通することは起きません。
# --------- 建物A --------- --------- 建物B ---------
# ┌──┐ ┌──┐
# ネットワークα ──┤ │ │ ├── ネットワークα
# VLAN10 │ L2 │ │ L2 │ VLAN10
# │ ├──────┤ │
# │ SW │ VLAN trunk │ SW │
# ネットワークβ ──┤ │ │ ├── ネットワークβ
# VLAN20 └──┘ └──┘ VLAN20
極小規模であれば、例えばポート1〜12はVLAN10(ネットワークα)、ポート13〜24はVLAN20(ネットワークβ)と設定して、そこに直接PC等を接続してもかまいません。
スイッチについては、Cisco Catalyst 2960 あたりで十分です。それでも高価というのであれば、NETGEAR GS105E (5ポート/4000円程度)や、JGS524E(24ポート/2万円程度)などの選択肢もあります。
今後ホストや部署が増えたりしてセグメントを分けたいニーズが出てきたらルータやL3スイッチを導入してネットワークをきちんと分けることを検討していくと良いと思います。