std::unique_ptrの所有権を取り戻したい

Question

###前提
std::unique_ptrの使い方についてです。
std::unique_ptrはポインタの所有権を唯一持っていて、std::move()で所有権を移動させるということは理解しているつもりです。

今書いているのクラスのコンストラクタでstd::unique_ptrを引数に取りたいと思い、

class myclass{
  std::unique_ptr<T> ptr_;

public:
  myclass(std::unique_ptr<T> ptr) : ptr_(std::move(ptr)) {}

  // ...
};

このように書いています。(Tは任意の型と読み替えてください)このとき、使う側のコードは

std::unique_ptr<T> p(new T());
myclass obj(std::move(p));

こうなると思うのですが、もしこの後もpを使用する必要がある時はどうすればようのでしょうか？

###コード
つまり、以下のようなコードを動かしたいのですが、

#include <iostream>
#include <memory>
#include <vector>
#include <cassert>

class myclass{
  std::unique_ptr<std::vector<int>> ptr_;

public:
  myclass(std::unique_ptr<std::vector<int>> &&ptr) : ptr_(std::move(ptr)) {}

  void someProcessUsingP(){
    assert(ptr_);//OK, 所有権アリ
    ptr_->push_back(10);
  }
};

int main(){
  std::unique_ptr<std::vector<int>> p(new std::vector<int>());
  myclass obj(std::move(p));
  obj.someProcessUsingP();

  /*** ここでpに所有権を取り戻したい ***/

  assert(p); //Assertion failed (所有権がない)
  p->push_back(10); //Segmentation Fault

  std::cout << p->size() << std::endl;

  return 0;
}

このままだとassert(p);がコケて(pが所有権を持っていない), assertをコメントアウトするとp->push_back(10);でセグフォが起きます。

なんとかして一度std::move()で所有権を移したstd::unique_ptrに所有権を取り戻すことはできないのでしょうか。

###試したこと
以下のコードのように所有権を移して返すメソッドを書けば動きはするのですが、これは設計として正しいものなのか不安です。
(呼ぶつもりはありませんが)これからobj.someProcessUsingP()が呼ばれない保証はないですし、ダメな気がします。

#include <iostream>
#include <memory>
#include <vector>
#include <cassert>

class myclass{
  std::unique_ptr<std::vector<int>> ptr_;

public:
  myclass(std::unique_ptr<std::vector<int>> &&ptr) : ptr_(std::move(ptr)) {}

  void someProcessUsingP(){
    assert(ptr_);//OK, 所有権アリ
    ptr_->push_back(10);
  }

  std::unique_ptr<std::vector<int>> returnPtr(){
    return std::move(ptr_);
  }
};

int main(){
  std::unique_ptr<std::vector<int>> p(new std::vector<int>());
  myclass obj(std::move(p));
  obj.someProcessUsingP();

  /*** pに所有権を取り戻す ***/
  p = obj.returnPtr();

  assert(p);//通る(所有権がある)
  p->push_back(10);

  std::cout << p->size() << std::endl; //2

  //obj.someProcessUsingP(); -> 呼ぶとAssertion failed

  return 0;
}

Answer 1

こんにちは。

基本的に所有権が行ったり来たりするのはあまり良くない設計と思います。
myclassに管理を任せたのであれば、myclassにそのまま任せるのが良いです。
つまり、pへ追加する処理はできればmyclassにて実装したいものです。
要件にもよりますが、可能な時は私ならstd::vector<int>をmyclass内のprivateメンバにするだろうと思います。
手抜きですがmyclassがstd::vector<int>を継承するのもありかも知れません。

どうしても現在の構造が望ましいのでしたら、std::shared_ptr<>を使うのも手です。

個人的には１つの構造の所有権を複数のクラスが持つことには凄く抵抗を感じます。所有権が明確でないって本当にちゃんと設計できているの？って感じてしまうからですね。
でも、標準ライブラリとして勝ち残った機能ですから、恐らくそれがベストなケースはあるのだろうと思います。

Comments

[退会済みユーザー]

所有権を行き来させるのはよくない設計なのですね。勉強になります。
myclassの方に全て実装することにします、回答ありがとうございました！

Answer 2

掲示コードを見る限りは、そもそも所有権を手放すべきでないように見受けられます。

排他所有権を管理するstd::unique_ptrではなく、共有所有権を管理するstd::shared_ptrを検討してみてください。

Comments

[退会済みユーザー]

myclassでstd::unique_ptrを別のライブラリのクラスのコンストラクタに渡さなければならず、止むを得ずstd::unique_ptrを使っている状況なので、std::shared_ptrは使えないです...すみません...
でもstd::shared_ptrいいですね。次から使ってみようと思います。
ありがとうございました！