[JavaFX] Textを使ったプログラムの座標設定が無効化される

Question

JavaFXを現在Windowsで勉強中なのですが、Textを使ったプログラムの座標設定が無効化されます。APIリファレンスを調べてjavafx.scene.text.TextのsetXやsetYメソッドを使っているのですが・・・

import javafx.application.Application;
import javafx.scene.Scene;
import javafx.scene.text.Text;
import javafx.scene.layout.BorderPane;
import javafx.scene.text.Font;
import javafx.scene.Group;
import javafx.scene.paint.Color;
import javafx.scene.text.TextFlow;
import javafx.scene.transform.Translate;
import javafx.stage.Stage;

public class Main extends Application {
    @Override
    public void start(Stage stage) throws Exception {
        TextFlow textFlow = new TextFlow();
        Text title = new Text("テスト");
        title.setX(100);
        title.setY(100);
        title.setFont(Font.font ("Ricky Diminished", 40));
        title.setFill(Color.RED);
        textFlow.getChildren().add(title);
        Group group = new Group(textFlow);
        Scene scene = new Scene(group, 500, 300, Color.WHITE);
        stage.setTitle("テスト");
        stage.setScene(scene);
        stage.show();
    }
    public static void main(String[] args) {
        launch(args);
    }
}

こちらがコードです。setX・Yを使っています。コンパイル・実行はできますが、実行すると文字が左上の端に寄ったままで、座標設定が無効化されます。そもそもsetX,setYは座標を設定するためのメソッドであるかどうかも初心者なのでわかりません。JavaFXに詳しい方、不具合の原因がわかれば教えていただけないでしょうか。

Answer 1

TextFlowのリファレンスを見ると次のような注意書きがあります。

TextノードがTextFlow内にあるとき、一部のプロパティが無視されます。たとえば、Textノードの場所は親によって決定されるため、ノードのxプロパティおよびyプロパティは無視されます。同様に、...

つまりTextFlowの目的はさまざまな大きさ、色などが混在したテキストを行儀よく並べることなので、Textの位置は(例えx, yプロパティーで指定されていても、それを無視して)TextFlowの左上から順に自動配置されます。逆にx, yプロパティーの値が有効になる仕様では一々煩雑な位置計算をしなくてはならず却って使いづらくなると言えるでしょう。

従ってTextFlow上へ配置するTextは位置以外の属性(フォントと色など)のみを指定し、画面上の位置はTextFlow自体のレイアウト制約として設定する必要があります。

上記を踏まえたコードの例を次に示します。この例ではTextFlowの位置制約をlayoutX, layoutYプロパティーを用いて設定しています。(なお、本件の本質に関係する処理のみ残し、座標やシーンの大きさは小さめにしています)

import javafx.application.Application;
import javafx.scene.Scene;
import javafx.scene.text.Text;
import javafx.scene.Group;
import javafx.scene.text.TextFlow;
import javafx.stage.Stage;

public class Main extends Application {
  @Override
  public void start(Stage stage) throws Exception {
    Text text = new Text("Hello");
    Text text2 = new Text("World");
    text2.setFont(Font.font(40));
    TextFlow textFlow = new TextFlow(text, text2);
    textFlow.setLayoutX(20);
    textFlow.setLayoutY(20);
    textFlow.setBackground(new Background(new BackgroundFill(Color.LIGHTGRAY, null, null)));
    Group group = new Group(textFlow);
    Scene scene = new Scene(group, 250, 100);
    stage.setTitle("text sample");
    stage.setScene(scene);
    stage.show();
  }
}

結果は次のようになります。TextFlowの背景をLIGHTGRAYにしているのでTextやTextFlowがどのようにレイアウトされているかが分かると思います。

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余談：

今回の例ではlayoutX, layoutYを使いましたが、必ずしもこのプロパティーは万能ではありません。コンテナの種類によって違いますが、大抵はlayoutX, layoutYは使わない方が自然にレイアウトできる気がします。

JavaFXのレイアウト攻略法としては、リファレンスをとことん読み、かつSceneBuilderのプレビューを利用して意図通りにレイアウトされるかを確認しながら画面を作ることをお勧めします。初心者の方はリファレンスが読みづらいので敬遠される向きも多いでしょうが、JavaFXの場合は推測でコードを書いても意図通りのレイアウトにならないことがよくあります。

Comments

[asadako]

なるほど、一部のプロパティは無視されるのですね。layoutX,layoutYを使えば、正常に動かすことができました。リファレンスは参考にしていましたが、ScaneBuilderには、名前は知っていましたが触れていなかったので、これから少しずつ勉強していこうと思います。回答ありがとうございました。

[KSwordOfHaste]

予想しないクラスに「例外が書いてある」こともよくあるのでややこしいですよね。SceneBuilderはちょっと前まではOracleが提供してくれてましたが今は[Gluonというサイト](http://gluonhq.com/products/scene-builder/)でOSSとして提供されてます。

[asadako]

ScaneBuilderといえばOracleのイメージがありましたが変わったのですね。丁寧に回答、コメントしてくださってありがとうございます。