伝統的に、PHPは変数には型の制約がありません(ただしPHP7以降は部分的に型の制約を課すことも可能)が、データ自体には型の情報を持っています。このため、扱うデータの性質に応じて、適切なデータ型に変換することが好ましいです。
典型例としては、数値があります。外部から入力したデータは、元々は文字列型として扱われる場合が多いですが、データを数値として扱う際には、intやfloatに変換して扱うべきです。
まず、前提して、PHPは、文字列型のデータであっても、中身が数字であれば、概ね数値演算が可能です。
'10' + '9' は 19 が返ります。
'10' > '9' は true が返ります。他の一般的な言語であれば、'10' < '9' となるところですが、PHPは、文字列の中身が数値である場合は数値として比較します。
ところが、'10’の代わりに '10a' があったとすると、
'10a' + '9' は 19 が返ります。
'10a' > '9' は false が返ります。
このように、「足し算」の場合は数字に余分なものがあっても数値として扱いますが、比較演算においては、数字以外の文字があると文字列として扱います。
このように、文字列型のデータを数値として扱うと、理解が難しい挙動が起こり、その結果、デバッグの困難なバグの原因になりえます。
一例として、例えば、以下のようなプログラムを考えます。$a と $b が正数である場合、プログラムの結果は正の数が得られるはずです。
PHP
1<?php
2 $a = '9'; // $a は正の整数
3 $b = '10'; // $b は正の整数
4 if ($a > $b) { // $a の方が $b よりも大きい場合のみ
5 $a = $a - $b; // $a から $b を引く
6 }
7 echo "a = $a\n";
この場合、引き算は実行されず、答は a = 9 になります。
ところが、$b = '10a'; の場合は、上記の結果は a = -1 になります。「余分な文字
」があると、文字列比較として '9' > '10a' だからです。
このような問題を避けるためには、数値として扱うデータは、数値型に変換してから用いることが好ましいのです。
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2017/02/06 16:10